まるごとアドリブ

ジャズの知識ゼロで「アメリカ唯一のジャズ専門音大」に留学したドラマーの奮闘記。

まるごとアドリブ

好きなディズニー音楽からあなたが最初に聴くべきジャズの曲をおすすめします

どうも、好きなディズニー音楽はヘラクレスの「Zero to Hero」のマルヒロです。

 

みなさんは、

「この曲が好きなんだけど、似たような曲ないかな?」

って思ったことありません?

 

この疑問を持つ瞬間って、新たな音楽を開拓する絶好のチャンスなんです!

 

今回はこのチャンスをうまく利用して、皆さんがジャズを好きになるきっかけを提供させていただきます!

 

やり方は簡単。

皆さんがとっつきやすいディズニー音楽の中でもジャズっぽいものをピックアップし、その曲が好きな方におすすめしたい別の曲をひとつご紹介します。

さらにそれらの曲に関連するキーワードやジャンル名もご紹介するので、皆さんはとにかく「これ好き!」という曲を一つ見つけてもらって、あとは僕が紹介するキーワードを検索すればどんどんジャズ沼にハマっていくことでしょう。

 

それでは早速スタートしましょう!

スポンサーリンク

 

 

まずはこちらを聴いて気になる曲を選んでください

おしゃれキャット「みんな猫になりたいのさ」

www.youtube.com

アラジン「フレンド・ライク・ミー」

www.youtube.com

モンスターズインクのオープニング

youtu.be

プリンセスと魔法のキス「それがニューオーリンズ」

www.youtube.com

ワールドバザールの曲

youtu.be

気に入った曲はありましたか?

では、それぞれのおすすめ曲をご紹介します!

おしゃれキャット「みんな猫になりたいのさ」

この曲が好きな方には、ルイ・アームストロングのこの曲がおすすめ!

 

www.youtube.com

こういった曲はディキシーランド・スイングと呼ばれるもので、ジャズの生まれ故郷であるニューオーリンズの古き良きサウンドに、ニューヨークで流行した大所帯バンドによるスイングジャズの要素を取り入れたものです。

 

おしゃれキャット以外にも、ジャングルブックの「君のようになりたい」や、プリンセスと魔法のキスの楽曲群、東京ディズニーランドのカリブの海賊の周辺で流れている音楽もディキシーランド・スイングに分類されます。

 

というか、ジャズ系ディズニー音楽の半分以上がここに分類されると思うので、ディズニー好きの方はまずここから聴きはじめてください。

 

ディキシーランド・スイングが好みの方は、それよりもっと前に生まれた元祖ニューオーリンズジャズもきっとお好きなはずなので、そちらも合わせて調べてみてください!

 

《おすすめ検索ワード》

アーティスト:ルイ・アームストロング、ルイ・プリマ、シドニー・ベシェ

その他キーワードニューオーリンズジャズ、ディキシーランドジャズ、エレクトロスウィング

 

ちなみに、「みんな猫になりたいのさ」の前半部分の雰囲気がお好きな方は、ジャンゴ・ラインハルトのこちらもおすすめです!

www.youtube.com

こちらはジプシー・ジャズと呼ばれる、ヨーロッパ発祥のギターメインのジャズで、ヨーロッパ特有の落ち着いた大人の色気がむんむんに漂っています。

ジャンゴはジプシージャズの第一人者です。

スポンサーリンク

 

アラジン「フレンド・ライク・ミー」

こちらの曲が好きな方は、キャブ・キャロウェイのこの曲がおすすめ!

www.youtube.com

これらの楽曲はジャンルで言うとスイングジャズなのですが、その中でもキャブ・キャロウェイの率いたバンドの楽曲は「ショーっぽさ」が強めで、彼の歌い方はジーニーの感情豊かな歌い方を彷彿とさせます。

 

当時スイングジャズには、黒人系バンドの野性的なサウンド白人系バンドの都会的なサウンドの二種類がありました。フレンド・ライク・ミーはどちらかというと野性的なサウンドなので、黒人系のスイングジャズを探すとお気に入りの曲が見つかると思います!

 

《おすすめ検索ワード》

アーティスト:キャブ・キャロウェイ、デューク・エリントン、ベニー・グッドマン

その他キーワード:Jungle Sound、Horn Growls、Show-tunes

モンスターズインクのオープニング

この曲が好きなあなたは、ライオネル・ハンプトンのこの曲がおすすめ!

www.youtube.com

こちらの曲は、1920年代から流行していたスイングジャズを、より小さな編成で演奏しようとした流れの中で生まれました。

 

こういった少人数によるスイングをスモール・グループ・スイング(Small Group Swing)と呼びます。

ジャンルとしてはかなりマイナーな方ですが、1920年代から流行していたスイングと1940年代以降に流行する少人数編成のモダンジャズの橋渡し役で、「モダンジャズ入門編」として聴くにはちょうどいいと思います。

 

中でもヴィブラフォンサックス奏者が発表した楽曲を中心に探していくと好きな曲が見つかるでしょう。

 

また、1980年代以降の新主流派ジャズの中にも似たようなサウンド楽曲があるので、いまいちお気に入りが見つからない方は「新主流派」まで検索範囲を広げてみてください。

 

《おすすめ検索ワード》

アーティスト:ベニー・グッドマン・セクステット、ライオネル・ハンプトン、コールマン・ホーキンズ、ミルト・ジャクソン、ウィントン・マーサリス

その他キーワード:ヴィブラフォン、サックス、スイング、Great American Songbook Standards

スポンサーリンク

 

 

プリンセスと魔法のキス「それがニューオーリンズ」

こちらはジャズではなくニューオーリンズファンクと呼ばれるジャンルですが、ジャズ発祥の地の音楽ということで今回取り上げます。

 

こちらの曲が好きな方におすすめするのはドクター・ジョン

そもそも映画のサントラで↑の曲を歌っているのがドクター・ジョンなのですが、彼はニューオーリンズジャズのサウンドを、よりポピュラーなファンク音楽に取り入れた大地人者として知られます。

www.youtube.com

《おすすめ検索ワード》

アーティスト:ドクター・ジョン、スタントン・ムーア、ザ・ミーターズ、プレザベーション・ホール・ジャズ・バンド

その他キーワード:ニューオーリンズジャズ、ディキシーランド

ワールドバザールで流れている曲

 

ものによってはディキシーランド・スイングっぽいものもあるので一概には言えないのですが、基本的に東京ディズニーランドのワールドバザールでかかっているような音楽はジャズではありません。

 

ワールドバザールで流れている曲はラグタイムと呼ばれるもので、ジャズが生まれる前に流行していた音楽です。

ジャズはラグタイムをさらにリズミカルに昇華させたものという見方もあり、今でも歴史的に重要なジャンルの一つとして認められています。

 

ラグタイムには二種類あり、このようなピアノだけのものと

www.youtube.com

より多い人数でオーケストラのように演奏されるものがあります。

www.youtube.com

どちらもラグタイムと呼ばれますが、一般的にラグタイムというとピアノだけのイメージが強いです。

 

ラグタイムがお好きな方には、ラグタイムとニューオーリンズジャズのちょうど隙間に位置するチャールストンと呼ばれるダンス音楽もおすすめです!

 

《おすすめ検索ワード》

アーティスト:スコット・ジョップリン、ジェリー・ロール・モートン

その他キーワード:チャールストン、ラグタイム・オーケストラ、Syncopated Orchestra

さいごに

ということで、お気に入りの一曲や気になるアーティストが見つかりましたでしょうか?

 

ディズニー音楽という縛りを設けたため、どうしても偏ったジャンルしか紹介できませんでしたが、それでも「ジャズってこんなにとっつきやすいんだ」と思っていただけたらそれだけで十分です。

 

重要なのは好きな曲をきっかけとして、自分が楽しんで聴ける曲の数を増やし、人生を豊かにすること。

僕の記事が少しでもそのお手伝いをできていたら幸せです。

 

では、また次の記事でお会いしましょう!

現役音大生が語る!乃木坂46の『頬杖をついては眠れない』は隠れた名曲だ!

f:id:maruhiro_ca:20190727102830j:plain

どうも、好きな色はパステルっぽいのマルヒロです。

 

実はマルヒロは、自他ともに認める乃木坂ヲタクです!

普段はブログの趣旨とずれるので乃木坂関連の内容は発信していないのですが、今回はちょうど音楽的にも面白いので、乃木坂46の『頬杖をついては眠れない』を取り上げます!

 

実はこの曲、プログレやドラムンベースなどのテクニカルな音楽が好きな方必聴の、変拍子やメトリックモジュレーションが多用された楽曲なのです!

 

ということで今回は現役音大生のマルヒロが、この曲のリズムに関する仕掛けを徹底解説します!

スポンサーリンク

 

 

全編通してドラムがえぐい

これは僕がドラマーだからということもありますが、この曲のドラムはとにかく手数の多い複雑なフレーズの連続です。

 

この楽曲で採用されているリズムは、ジョジョ・メイヤーというドラマーが得意とするドラムンベース系のフレーズです。

もしかしたらこの曲ではコンピュータによってトラックが作られているのかもしれませんが、いずれにせよこの楽曲の攻撃的なイメージにぴったりなドラミングだと思います。

 

ドラムンベース系のドラミングがどれだけ複雑なのかを理解していただくための動画を貼っておきます↓

www.youtube.com

スポンサーリンク

 

イントロ:7拍子の印象的なリフ

2拍3連の連打から突入するイントロ部分は、いきなり7拍子で構成されています。

アイドル音楽やポップスの9割以上は4拍子で作られており、4拍や8拍ごとにフレーズが一周するものが多いのですが、このイントロのギターによるメロディは7拍で一周します。

 

僕がこの曲を初めて聴いたとき、僕は一般的な4拍子のフレーズを期待していたので、この7拍子のイントロでいきなり不意打ちを食らいました。

 

ちなみにほかのアイドルが歌う7拍子の曲だと、SMAPが2014年に発売した「Top of the World」という曲があります。

Aメロ:5+6+5+8拍の複合変拍子!

Aメロ部分に合わせてなんとなく手拍子をしてみてください。

(ヲタクの人はなんとなくコールを入れてみてください)

 

多分どんどんずれていって訳が分からなくなると思います。

なぜかというと、このAメロ部分は歌詞半行ごとに拍子が目まぐるしく変わるからです。

 

「あの日」は5拍

「どうだった」は6拍

「どういう顔で」は5拍

「どこを見ていたんだっけ?」は4拍×2の8拍

 

と切り替わっていくので、皆さんも曲を聴きながら数えてみてください。

 

そしてそのあとは一度イントロのフレーズに戻り、さらにAメロが続きます。

2周目はAメロの歌詞が2倍なので、拍子は

【5+6+5+6】+【5+6+5+4+4】

という構成になっています。

Bメロ:王道アイドルソングらしい4拍子からの・・・

Bメロはそれまでの部分とは打って変わって、手拍子もコールも入れやすい4拍子になります。

しかもアイドルソングのBメロでは定番の「オー、オイっ」という掛け声がぴったり当てはまるリズムで構成されています。

 

しかしそれもつかの間、Bメロからサビに展開する部分で「3拍フレーズ」が登場することによって、再びリズムが少し複雑になります。

ただこの「3拍フレーズ」というのは最近のポップスやロックではよく見られる手法なので、イントロやAメロに比べるとさほど複雑に聞こえはないかもしれません。

3拍フレーズに関する詳しい説明はこちらを読んでみてください。

 

ちなみにONE OK ROCKの「The Beginning」のイントロでバンドが入ってくる部分なども、3拍フレーズを使っている有名なフレーズです。

www.youtube.com

スポンサーリンク

 

サビ:ファンタジックだけど相変わらず複雑な3拍子

サビ部分は、おとぎ話の舞踏会などを彷彿とさせる優雅な3拍子で構成されています。

特にサビ部分ではそれまで前面に押し出されていたギターの音が小さくなり、その代わりにバイオリンなどのストリングスの音が新たに加わります。

このストリングスの音のおかげで、余計にファンタジックな雰囲気が強調されているんですね。

 

ですがその後ろで演奏しているドラムは相変わらず攻撃的です。

しかもサビの後半では、楽曲全体は相変わらず3拍子なのに、ドラムだけ4拍子(ウン・タン・ウン・タンのリズム)で演奏し始めます。

それにより、4拍子と3拍子が同時進行しているなんとも不思議な状況が生まれます。

 

その後4拍子に完全に切り替わり、Bメロにも登場した3拍フレーズが登場します。

この3拍フレーズに騙されると急にテンポが遅くなったように感じますが、そうではなく、実際には4拍子のままリズムは進行しています。

2周目は同じことの繰り返しだけど・・・

楽曲は2周目に入っても同じように、7拍子のギターフレーズ、5+6拍子のAメロ、4拍子のBメロ、3拍子のサビによって構成されています。

 

しかし大サビ前のBメロに入るところで一つだけ変化が訪れます。

Bメロの前に演奏されるのは、イントロでおなじみのギターフレーズですが、この部分だけ4拍子(8拍子ともいえる)で演奏されているのです!

 

なぜここであえて7拍子を避けたのかは作曲者以外誰にも分りませんが、ここであえて期待を裏切ることで楽曲のマンネリ化を避けているのではないかと僕は考えます。

まとめ:聴き手を飽きさせない仕掛けのオンパレード

ということで各セクションの拍子をまとめると、

 

イントロ:7拍子

Aメロ:5+6拍子+8拍の組み合わせ

Bメロ:アイドルソング定番の4拍子

サビ:3拍子(ドラムは途中から4拍子)

大サビ前の間奏:4拍子

 

となります。

ここまで複雑な構成の楽曲を、「清楚系」アイドルとして知られてきた乃木坂46のメンバーが歌うことに僕は驚きを隠せませんでした。

 

同時に、これだけ複雑なリズムの上でも変に聞こえないメロディラインや、最後まで聴き手を飽きさせない工夫に好感を持ちました。

 

僕としてはこの曲の面白さをもっとたくさんの人に知ってもらいたい!

という思いでこの記事を書いたのですが、その思いは伝わったでしょうか?

 

もし楽しんでいただけたら、皆さんの周りのミュージシャンやアイドル好きにも共有してみてください!

 

それでは、また次の記事でお会いしましょう!

現役アメリカ留学生が教える"Cool"の使い分け

f:id:maruhiro_ca:20190725234424j:plain

どうも、マルヒロです。

 

僕は海外の友人に「日本語教えて!」といわれると、決まって「ヤバい」を教えるようにしています。

使い道も豊富だし、サウンドも面白いし、ワンポイント日本語レッスンとしてはちょうどいい教材です。

 

そんな「ヤバい」と同じくらい、いや、むしろそれ以上に便利な英単語が

"Cool"

なんじゃないかなと僕は思います。

 

ということで今回は、そんな便利な"Cool"の様々な使い方を、現役でアメリカの大学生ぶちかましてるマルヒロが徹底解説します!

スポンサーリンク

 

 

"Cool"=すげえ!かっこいい!

これが一番よく知られている使い方かもしれません。

基本的には「プラスの驚き」を表現する際に使えますが、"Wow""Amazing"などの表現よりも、「かっこいい」「なにこれ初めて見たんだけど!」みたいなニュアンスが強い気がします。

 

日本でも一時期話題になった"Cool Japan"というキャッチフレーズも、

「日本の技術・文化って真新しくてかっこいい!」

と海外の皆さんに思っていただくためのものでしたよね。

 

【例文】

You got the new iPhone? That's so cool!

新しいiPhone買ったんだって?すげー!

 

Japanese vending machines are so cool!

日本の自販機ってすごいよね!

スポンサーリンク

 

"Cool"=いいね!いいよ!

"Okay""Good!"と似たニュアンスで使う場合です。

 

何か指示を出されたり、提案されたりした際に

"Cool"

といえば、それは承諾の意味になります。

 

気を付けないといけないのは、"That sounds good!"などの丁寧な表現に比べて"Cool"は「あ、いいっすよ」のような少しくだけた表現になるので、使う相手によっては失礼だと思われてしまうかもしれません。

 

【例文】

A "Can we grab some lunch before we head over to your place?"

B "Yeah, thats cool."

A お前んち寄る前になんか食べ物買ってってもいい?

B いいよー

 

A "Why don't we start off by reviewing what we did last week."

B "Alright, cool."

A 先週なにやったかの振り返りから始めよっか

B おっけー

 

"Cool"=大丈夫

Coolの本来の意味は「冷たい」という意味ですが、そこから直接転じた意味として「大丈夫」というものがあります。

ですので、"Are you okay?"という質問に比べて、"Are you cool"という質問には「怒ってない?」「問題ない?」というニュアンスが含まれます。

 

ちょっとした口論をしている友人の仲裁に入った際に、

"You guys cool?"

なんて言い方もします。

 

【例文】

Is it cool if use the bathroom before we go?

出発前にトイレ使っても大丈夫?

 

Yeah I'm cool with either one.

僕はどっちでも大丈夫だよー

 

"Cool"=落ち着いた

若干「大丈夫」の意味と被る部分もあるのですが、本来の意味に最も近いのはこの使い方かもしれません。

日本語で「クール」というときもこのニュアンスが一番強いですよね。

 

しかし!

 

落ち着いた人のことを

"She is a cool person."

って表現してしまうと、どちらかというと1番目の「かっこいい」のニュアンスのほうが強くなり「かっこいい人」という意味で伝わってしまうので要注意です。

 

この場合は

"She is a calm person."

もしくはもっとくだけて

"She's super chill."

なんて言ったほうがいいと思います。

 

"Cool"が「落ち着いた」という意味になるのは、副詞として使われる場合が多いです。

その"Cool"が形容詞なのか、副詞なのかという部分を意識すれば、意味のすれ違いは避けられると思います。

 

【例文】

It'll be fine. Just stay cool.

大丈夫だよ。落ち着いて。

 

Let's keep it cool guys.

みんな、落ち着いていきやー

 

まとめ

ということで今回は、"Cool"という単語の実用的な使い方を4パターンご紹介しました。

 

①かっこいい

②いいね!

③大丈夫

④落ち着いた

 

もちろん温度の話をするときにも"Cool"は使えますし、上記4通り以外にも使い方はあります。

ぜひぜひみなさんも、海外ドラマやアニメなどを見て、どんなふうに"Cool"が使われているのかを分析してみてください!

 

この単語を自在に扱えるようになれば、英会話も一気にネイティブっぽくなりますよ!

 

では、また次の記事でお会いしましょう!

現役生がアメリカのジャズ専門音大のオーディション情報を大公開

f:id:maruhiro_ca:20190723173338p:plain

どうも、好きなアイドルグループは乃木坂46のマルヒロです。

 

今回は、僕が通っているCalifornia Jazz Conservatory(通常CJC)で行われているオーディションの中でも、特に留学を考えている人が気になるであろう入学用オーディションの仕組みをご紹介します。

スポンサーリンク

 

 

オーディションの概要

CJCに入学を希望する人は、書類審査とは別にオーディションを受ける必要があります。

 

とはいっても、オーディションの段階でむちゃくちゃ上手い必要はありません。

あくまで学生のポテンシャル(伸びしろ)を見抜くためのものですので、あまり腕前に自信がない学生も一度オーディションを受けることをお勧めします。

マルヒロの顔

僕なんて入学するまでジャズドラムのたたき方なんてほとんど知らなかったからね

オーディションで演奏する内容

  1. ミディアムテンポのブルース
  2. バラード
  3. アップテンポスイング
  4. ラテン

これら4つのジャンルからそれぞれ好きな曲をひとつ選び演奏します。

4曲とも必ず【メロディ⇒ソロ×3周くらい⇒メロディ+エンディング】という形式で演奏できるように練習しておくといいと思います。

ソロで演奏するか伴奏つきで演奏するかはその都度変わるので、両方に対応できるようにしておきましょう。

 

ちなみにドラマーも自分が選んだ曲のメロディを、ドラムで再現できるようになっておいた方がいいかもしれません。こんな感じで↓

www.youtube.com

スポンサーリンク

 

オーディションで使える曲の例と評価ポイント

①ミディアムテンポのブルース

www.youtube.com

重要なのは12小節のブルース進行をしっかり演奏できることと、そのコード進行のうえでソロを取れることです。

ブルース進行にはいくつか王道パターンがあるので、ソロを一周するごとにコード進行を変えていくとポイント高いです。

 

ソロの内容はバカテクを披露するよりも、ブルース特有のフレーズを使ったメロディアスなものが好まれます。

 

②バラード

www.youtube.com

ポイントはテンポキープと、曲全体の構成を把握しているかどうか。

特にドラマーは曲の途中で迷子にならないように気を付けてください。

 

バラードはソロの時だけテンポが2倍になるお約束パターン(上の動画参照)があるので、どっちにも対応できるようにしておきましょう。

もちろんずっと同じテンポで演奏してもいいと思います。

 

③アップテンポスイング

www.youtube.com

とにかくリラックスして最後まで演奏できるかが重要です。

どうしてもテンポが速いと力が入りがちですが、いかに余裕を持ったソロを演奏できるかということを意識するのがいいと思います。

 

上の動画の曲は実はそこまでアップテンポではないんですが、オーディションの段階ではこれくらいのテンポで演奏出来たら十分です。

余力のある人はBPM300以上を目指しましょう。

 

④ラテン

www.youtube.comラテンといってもいくつかパターンがあるので、好きなものを選べばいいと思います。

参考動画はキューバ系のラテンジャズですが、ブラジル系のボサノバやサンバを演奏するのもぜんぜんオーケーです。

 

ラテン曲は、ノリを理解しているかどうかが重要です。

特にリズム隊はラテン特有のリズムパターンを理解しておきましょう。

抜き打ちの読譜力チェックがあるかも

一応オーディションで演奏するのは上記4パターンの曲なのですが、それとは別にその場で楽譜を渡されて読むように言われるかもしれません。

日本人は読譜力があるミュージシャンが多いのであまり心配はいりませんが、事前に楽譜を初見で演奏する練習もしておいたほうが無難です。

オーディションの受け方

現地で受ける方法

一番手っ取り早いのは学校に来て受ける方法です。

入学希望の人は、事前に電話で入学オーディションを受けたい旨を伝えると、希望の日時でのオーディションを設定してくれます。

一般的な大学と違って、決まった受験日があるわけではありません。

 

オーディション会場は学校内の小さめの教室である場合がほとんどです。

入室すると、学長、アシスタント、教務部長の3人が待っており、簡単な自己紹介と雑談のあとに演奏が始まります。

この段階で、笑顔で元気いっぱいに受け答えをできるかどうかも割と重要なポイントだと思います。

 

学長がピアノ、アシスタントがドラム、教務部長がベースの奏者なので、サックスやトランペットでオーディションを受ける場合は彼らが伴奏をしてくれます(もちろん4曲のうちのいくつかは完全にソロで演奏しないといけません)。

 

ギターやピアノの場合は、ベースとのデュオ、もしくはベース・ドラムとのトリオで演奏することになると思います。

 

ドラムの場合はほぼ確実にピアノとベースとのトリオ形式になると思いますが、ほかの楽器同様ソロで演奏させられる場合もあるので覚悟しておきましょう。

映像オーディション

多くの留学希望者にとって、受かるかもわからないオーディションのためだけに渡米するのはなかなかハードルが高いと思います。

そういった遠方からの志願者は、上記4パターンの演奏を録画した映像をメールやYouTubeのリンクで送ることもできます。

 

この場合、自分で曲の音源(もしくは一緒に演奏してくれる人)を用意する必要がありますが、録画自体はスマートフォンレベルのクオリティで十分です。

動画の冒頭に自己紹介と、演奏する曲目の紹介を付けておくと親切だと思います。

スポンサーリンク

 

オーディションに受かるために

冒頭でも言った通り、このオーディションに受かるために必要なのは技量ではなくポテンシャルです。

 

学長も

「私たちがオーディションで探しているのは、成長にどん欲な学生だ」

と語っていました。

 

そんな人をどうやってオーディションから見抜くのか。

はっきりとしたことは僕も言えませんが、オーディションをひとつの勉強の機会として捉えることが重要だと思います。

オーディションの中で少しでも自分の成長につながることを吸収しようと意識するだけで、不思議とその姿勢は行動や表情に現れます。

実際に、オーディション前後に積極的に質問したりする受験生は好印象だと教務部長が言っていました。

 

また、そんなオーディションを楽しめる人も高評価のような気がします。

僕は初めて学長の前で演奏した時、ろくなフレーズは一切叩けませんでしたが、それでも学長の演奏するピアノに合わせてドラムを叩くのが本当に楽しかったのを覚えています。そしてその楽しむ姿が印象的だったと学長からも言われました。

 

ですので、まずは楽しみながら演奏することを意識して、オーディションの準備に取り掛かりましょう!

最後に

この記事を読んでいる方のうちCJCのオーディションを受ける人はほんの一部に過ぎないと思いますが、オーディションに対する姿勢というのはCJC受験以外にも活かせる考え方だと思います。

 

「へー、音大の受験ってこんな感じなんだ」

「成長にどん欲になるという考え方は参考になった!」

 

なんて思っていただけたら、僕としてもこの記事を書いた甲斐があったと思います!

 

もし、もっと本格的にCJC留学について知りたいという方は、コメントかツイッターで教えてください!全力でサポートします!

 

ではまた次の記事でお会いしましょう!

アメリカ唯一!ジャズ専門の音大って何?

どうも、カリフォルニアジャズ学院3期生のマルヒロです。

 

しばらくブログを運営してきて、そういえば自分の留学している大学について一切紹介してこなかったなーと気づきましたので、これから少しずつ学校のことを知ってもらう記事も更新していきます!

 

今回はその第一弾として僕が通う大学の歴史や特徴についてご紹介します!

スポンサーリンク

 

 

カリフォルニアジャズ学院:概要

正式名称California Jazz Conservatory (通称CJC)

種類:単科大学(Bachelor of Music Degree in Jazz Studies)

認定学位:学士まで

所在地:カリフォルニア州バークレー市内

創立年2014年(音楽学院として認可された年)

在籍学生数約120人

 

学期:セメスター制

学費:約18,000ドル/年(授業料のみ)

 

こうしてみてみると、いかにCJCが新しくて小規模な大学かがわかると思います。

これだけ歴史が浅く在籍生徒も少ないと卒業生も少ないですし、在籍中の僕ですら卒業後の進路状況やその他情報が把握しづらいです・・・。

今後何かわかり次第更新していきます!

スポンサーリンク

 

創立からたった5年の学校!?

まず何より驚きなのが学校の若さだと思います。

実はCJCはもともと音楽学院として生まれたわけではなく、一般市民向けの音楽教室として1997年にバークレー市内に設立されました。

当時は音楽学院ではなかったため、名前も"Jazzschool"と名乗っていました。

 

2009年には"Jazzschool Institute"と名前を変え、専門学校として生まれ変わります。

その後2014年に、全米で唯一のジャズ専門の音楽学院として"California Jazz Conservatory"が生まれました。

 

現在は卒業時に学士号がもらえる4年制のカリキュラムに加え、短期大学士が取得できる2年制のカリキュラム、一般向け音楽教室、中高生向け音楽教室などのプログラムを並行して実施しています。

全校生徒が120人!?

現在CJCには「キャンパス」といえるほどの敷地がありません。

バークレー市内の劇場などが多く立ち並ぶ通りに面した建物の地下部分を本館、その向かいの建物の一階部分を別館として利用しています。

両方の建物を合わせても、5分あればすべての教室・設備を見て回れてしまうくらいの広さです。

 

それだけのスペースしかなく、授業で使える教室も数えるほどしかないため、必然的に学生の数は限られてきます。

一応学校の最新の情報では、4年制のプログラムの定員人数が120人ということです。

f:id:maruhiro_ca:20190722155324j:plain

こちらが本館の入り口からすぐのところにある多目的スペース。

この奥に定員15名ほどの教室が3つ、定員5名ほどの教室が3つ、さらに小さな個人レッスン用の教室が3つほどあります。

ほとんどの授業はこれらの教室を利用して実施されています。

 

ちなみにこちらは向かい側の別館。こちらには本館よりも大きな演奏スペースと、教室が2つ。それに加えて個人練習用の部屋が5つあります。

f:id:maruhiro_ca:20190722161127j:plain

小さな大学ゆえのメリット

CJCのことを知り合いに紹介すると、みんな決まって

「そんな小さい大学でちゃんと勉強できるの?」

と聞いてきます。

 

結論からいうと、僕は「むしろ大手大学より勉強に集中できる」と思っています。

というのも、在籍しているすべての学生を集めても120人程度しかいないということは、各授業に参加している学生は多くても20人ほど。

少ない授業だと3人ほどしか参加しないものもあります。

 

それだけ人数が少ないということは、それだけ先生の目が行き届くということ。

どんなささいな質問もすぐに聞けてすぐに答えが返ってくるし、学生も学生であまりだらだらできません。

 

特に音楽を勉強する際には授業内のコミュニケーションが必要不可欠です。

マンツーマンに近い少人数制の授業が多いというのは、かなりのメリットだといえます。

 

また、学生も先生もその他スタッフも全員がお互いのことを知っている環境というのも温かみがあって楽しいです。

授業が終わって教室の外に出たら必ず知り合いがいるし、気軽に先生に話しかけに行って質問することもできます。とにかくアットホームな雰囲気がうちの学校の最大の魅力だと思います。

小さいからと侮るなかれ!ハイレベルな講師陣

CJCで教鞭をとる講師の多くは、現在も活躍する現役のミュージシャンです。

多くはボストンのバークリー音楽院やニューヨークのイーストマン音楽学校など、名だたる有名校の卒業生で、中にはそれらの学校での指導経験がある人もいます。

しかもみなさん、共演歴がすごいんです・・・。

 

僕が先生に直接聞いただけでも、

 

ジョー・ヘンダーソン

ソニー・ロリンズ

マックス・ローチ

ディジー・ガレスピー

ピーター・アースキン

ブライアン・ブレイド

 

などの名前が挙がってきます。

 

ほかにもジャズの歴史の授業を教える先生があのスミソニアンの協会員だったり、あのシルクドソレイユと一緒にツアーを回った先生がいたりと、とにかく講師陣が豪華なんです。

学校の歴史は浅いかもしれませんが、講師と授業内容はホンモノです。

スポンサーリンク

 

小さな大学ゆえのデメリット

一方で小さくて新しい学校ゆえの不便さもたくさんあります。

学生数と同じくらい運営スタッフの数が少なく、結果として教室の設備や授業のスケジュール管理が甘かったり、何か問題が起きても事務室に誰もいない!なんてことがあったりします。

 

さらに学生数が少ないせいで開講されない授業も多く、僕も取りたかった授業がキャンセルになったことが何回かあります。

 

特に僕が不便だなと感じるのが、留学生の受け入れ態勢が万全でない点です。

僕を含めて海外からの留学生はまだ5人ほどしかいません。

ですのでビザやI-20の手配に関してはほぼ自力でやることになります。

学校に問い合わせても「わからない」と言われたこともあります・・・。

 

さらに、住む場所や保険、銀行口座に関しても学校側はノータッチなので、大手大学への留学に比べて自分で探して決めないといけないことが多いです。

(もちろん相談すればおすすめを紹介してくれる程度のサポートはあります)

 

何より困るのが、大学が小さすぎてバイトをする場所がないという点です。

本来は学校の敷地内でのバイトは許可されているのに、それができない留学生は一切の収入を得ることができません。そのため必然的に節約生活を強いられます。

まあ、その分大手大学に比べて学費が安いので、そこのバランスをどうとるかですね。

さいごに

ということで、僕が通っている大学の基本情報をご紹介しました!

今後も大学に関する情報は随時ご紹介していきますので、気になる方はぜひ今のうちに読者登録、もしくはツイッターのフォローをお願いします!

 

もしアメリカに音楽留学を考えている方がいたら、こんな小さな大学でも留学生を受け入れてるんだよーってことを覚えておいてください。

新たな日本人学生と会えるのを楽しみにしています!

ミュージシャン向け英会話講座 ~サビとかAメロとか編~

どうも、Jポップでよくある「大サビ前の半音転調」が大好きなマルヒロです。

 

最近ライブのリハーサルなどで曲の構成を確認することが多いのですが、そのときにふと

「そういえば英語でサビに該当する言葉っていくつかあるな。」

と気づいたんです。

 

ということで今回は、「サビ」「Aメロ」といった音楽用語を英語で言う際に使える表現とそれらの使い分けについてご紹介します!

スポンサーリンク

 

 

英語でサビってなんていう?

サビの英訳として一番使われるのは"Chorus"

僕が一番よく耳にする言葉は"Chorus"ですね。

"Chorus"といえば、大体の場合「サビ」を指します。

 

ただジャズや昔のミュージカル音楽について話す際には気を付けないといけません。

これらの20世紀前半にアメリカで流行った大衆音楽は、

テンポが定まっていなかったり、全体的にメロディがあまり盛り上がらなかったりする導入部分の"Verse"と、曲のメインとなる"Chorus"2セクションで成り立つことが多くありました。

この場合、"Chorus"の中でまた細かくセクションがわかれており、その細分化されたセクションの中に「サビ」に当たる部分が存在する場合があります。

 

例えばこの音源は有名な「枯葉」ですが、よく知られている"Chorus"は1:16から始まり、その中でも1:42からの部分が「サビ」に当たります。

それ以前の部分は"Verse"です。

www.youtube.com

日本語でも「ワンコーラスだけ歌うよ」なんて言うと、サビの部分だけではなく曲の1番の部分をまるまる歌いますよね?

このように、"Chorus"という言葉は「サビ」よりももっと広い範囲を指す可能性があるので、使い方には十分注意しないといけません。

"Chorus"が広い範囲を指す場合の「サビ」は"Bridge"

"Chorus"という言葉では「サビ」部分をうまく表せない場合には、"Bridge"という言葉が使えます。上の枯葉の「サビ」も"Bridge"と呼ぶほうが適切です。

 

ですがここでも注意しないといけないのが、"Bridge"には本来

「楽曲の大きなセクション同士をつなげる別のセクション」

という意味があることです。

最近のポップスなどで"Bridge"というとそれは「サビ」というよりも「Cメロ」のような扱いになってしまうので気を付けましょう。

 

一昔前のジャズやファンクといったポピュラー音楽によくある、大きく分けて2セクションで成り立つ曲の場合は"Bridge"を「サビ」という意味で使っていいと思います。

ポップスやヒップホップなら"Hook"

"Hook"とは「釣り針」を意味し、「聴き手をひっかける」部分であることを意味します。

つまり、楽曲の中で最も盛り上がり、最も耳に残る部分のことです。

メロディがほかの部分よりも高音だったり、同じメロディが何度も繰り返されたりするという特徴があります。

 

特にヒップホップでは何度も繰り返される「サビ」的な部分を、"Hook"と呼ぶ場合が多いと思います。

 

ヒップホップ以外の現代のポップスでは"Hook"も"Chorus"も同じような意味で使われるので、あまりその違いを気にする必要はないと思います。

もし楽曲の中で「盛り上がる部分」「耳に残る部分」が違う場合はこの二つの言葉を使い分けるのもアリかもしれませんが、その基準は人によります。

 

例えばこの曲、0:30からの"Happy~♪"を"Chorus"、1:55や2:55から始まる部分を"Hook"と捉えることもできると思います’。

(ちなみにそれ以外の部分は"Verse"と呼ぶのが適切だと思います)

www.youtube.com

スポンサーリンク

 

じゃあAメロとかBメロとか大サビは?

「サビ」についてはある程度わかったと思うので、楽曲のほかの部分を指す際の単語もご紹介します。

各セクションはアルファベットで表せる

日本語でもAメロ、Bメロというように、楽曲のセクションをアルファベットで表しますよね?

 

英語でも同じように"A section", "B section"といった形で分けることが可能です。

むしろ、どこが「サビ」に該当するかわからない曲の場合は頭からセクションごとにアルファベットを使って区切っていくことが多いです。

Aメロは"Verse"

先ほども紹介した通り、昔は曲の導入部分を"Verse"と呼んでいました。

それが転じて、今でも曲の歌い始めの部分を"Verse"と呼ぶこともあります。

 

"A section"と"Verse"のどちらを使うかは好みです。

しかし、サビとそれ以外しかない2部構成の楽曲の場合は、"Verse"という表現が使われる傾向にあります。

 

ちなみに2Aは"2nd Verse"もしくは"2nd A"と呼ぶのが一般的です。

Bメロは"Pre-chorus"

ポップスの最も一般的な形は、

Aメロ⇒Bメロ⇒サビ

という3段構造だと思うんですが、このような形式の場合はBメロを"Pre-chorus(サビ前)"と呼ぶことができます。

 

Aメロ⇒Bメロ⇒Cメロ⇒サビ

という構造の場合はCメロが"Pre-chorus"になり、その他の部分を"A section" "B section"と呼ぶのが一般的だと思います。

"Verse"という言葉を使うと、AとBの区別がつけづらくなってしまいます。

大サビは"Shout chorus"

曲の終盤で何度もサビのフレーズが繰り返され、楽曲のボルテージもピークに達する「大サビ」"Shout chorus(またはShout section)"と呼ばれるのが一般的です。

後半のたたみかけを"Shout"というのは、19世紀ごろにはすでにアフリカ系アメリカ人の間で使われていた表現です。

 

また、曲のクライマックスでテンポが速くなったりメロディが変わったりする曲もありますが、その場合もそのクライマックス部分を"Shout section"と呼びます。

例えばこの動画の1:18からの部分なんかは、楽曲の雰囲気がガラッと変わるタイプの"Shout chorus"のいい例だと思います。

www.youtube.com

まとめ

  • 楽曲のセクションはアルファベットで表せる
  • 「サビ」は"Chorus"もしくは"Bridge""Hook"などの呼び方があり、場合によっては"Bridge"は「Cメロ」という意味で使われる
  • 「Aメロ」や楽曲の導入部分は"Verse"と呼ばれる
  • 「サビ」の直前のセクションは"Pre-chorus"と呼ぶ
  • 大サビを含む楽曲のクライマックス部分は"Shout chorus"と呼ぶ

 

以上、英語で楽曲の構成を説明する際に使える表現を紹介してきました!

これら以外にも使われる表現というのは実はあるのですが、ここらへんを覚えておけばまず困ることはないと思います!

 

もしこの記事が面白いと思っていただけたら、ぜひぜひ知り合いの音楽好きにも教えてあげてください!

 

それではまた次の記事でお会いしましょう!

 

ディズニー映画「ズートピア」のトリビアからアメリカ社会を学ぶ

どうも、好きな動物は「ウシ柄のネコ」のマルヒロです。

 

以前トイストーリーを使って英語を勉強する記事を書きました!

今回はそんなトイストーリーとは一味違う、アメリカの社会に関していろいろ学べる『ズートピア』をご紹介します!

スポンサーリンク

 

 

切れ味抜群なアメリカ社会の風刺

この映画はもともと偏見や差別という問題に切り込んだ作品として話題になりましたが、映画内で登場するセリフや演出にはそれを裏付けるものがたくさんあります。

 

それらの中には英語のセリフでしか伝わらないものや、アメリカ文化に馴染みのある人しか理解できない表現もあるので、まずはそれらを解説していきます。

オバマ大統領に対しての人種差別発言をパロディ

f:id:maruhiro_ca:20190720171332j:plain

映画の冒頭でジュディとニックが出会うシーン。

ニックの「詐欺」に騙されたジュディは、アイスクリーム屋さんをあとにする彼を追いかけて、

"I just wanted to say you're a great dad and a.. a really articulate fella."

(あなたは物事をはっきり言える、素晴らしいお父さんだわ)

といいます。

 

一見すると普通の褒め言葉ですが、実はこの"articulate"という言葉は、使い方と使い手によっては「自分でちゃんと言えてえらいでちゅね~」というバカにした発言になってしまうのです。

 

特に大人が子どもに向かって言ったり、白人が白人以外の人種に言うときは、バカにしたニュアンスで受け取られます。

 

実は2007年にアメリカ前副大統領のジョー・バイデン氏(当時はまだ上院議員)が、当時大統領に立候補していたバラク・オバマ氏に対してこの言葉を使ったことで、バッシングを浴びました。

その言葉を多数派である草食動物の警察官が、犯罪者の肉食動物(しかもずるがしこいとされるキツネ)に言うということは、大人であれば誰しもが「ああ、そういう意味ね」となるシーンなのです。

古典映画の差別的なシーンを再現

そんなニックが一度は追い出されそうになるアイスクリーム屋さんのシーンも、実は人種差別というテーマを表す重要なシーンです。

 

このシーンは、1956年に公開された映画「ジャイアンツ」という話題作をオマージュしたものといわれています。

「ジャイアンツ」では、ダイナーを経営する店主がヒスパニック系の家族を、人種を理由に追い出そうとするシーンがあります。

 

しかもズートピアのシーンと同じように、

"We reserve the right to refuse service to anyone"

(我々は誰に対してもサービスの提供を断る権利があります)

というサインを見せつけて。

 

「ジャイアンツ」は女性の自立や人種差別という20世紀の問題を扱ったセンセーショナルな作品でしたが、そのシーンを彷彿とさせるシーンを映画の冒頭に持ってきたというのは、

「この映画は女性の自立と人種に対する偏見について扱いますよ」

というメッセージとして受け取れます。

かわいいはウサギ同士しか言っちゃいけない

ジュディはことあるごとに「かわいい(cute)と言われ、そのたびに怪訝そうな顔をします。

あるシーンでは「かわいい」という表現はウサギ同士の間でしか言っちゃいけないということを主張すらします。

 

英語圏に住んでいる人ならピンとくると思いますが、このジュディの主張は"ニガー"という言葉の扱い方に似ていますよね。

 

ニガーとは、アフリカ人奴隷がいた時代から使われていた大変侮蔑的な言葉ですが、ラップ音楽やギャング映画では今でもしょっちゅう聞く言葉です。

実際に友達がこの言葉を使っているのを聞いたことがある人もいるかもしれません。

 

でもだからといって自分も使っていいと思ったら大間違い。

この言葉には、「黒人同士なら使っていい」という暗黙のルールがあるのです。

ジュディらうさぎにとっての「かわいい」と全く同じ扱いです。

 

こんなところからも、現代社会における人種問題の風刺が読み取れますね。

禁断の「南部の唄」を彷彿とさせる衣装

f:id:maruhiro_ca:20190721160051j:plain

画像:Brer Rabbit - Splash Mountain by Haydn Blackey

 

物語の終盤で、一度すべてを諦めたジュディをニックが励ましに行くシーンがあります。

そこでのジュディの服装と、上のうさぎどんの服装を見比べてください。

ものすごい似ていますよね?

 

しかもジュディが話す相手はキツネ。

ディズニー映画「南部の唄」でうさぎどんとやり取りをするのもキツネどん。

このシーンは、映画「南部の唄」への明らかなオマージュなのです。

 

そもそも「南部の唄」は、黒人奴隷と主人の関係性を美化したことで全米黒人地位向上協会から「間違った歴史の認識を煽る」として批判され、その後ディズニー側の自主規制により一切映像が流れなかったいわくつきの映画です。

 

そんな人種問題に根強くかかわった作品をオマージュすることからも、ズートピアの真のテーマが何かということが読み取れます。

スポンサーリンク

 

 

豊富なパロディとダジャレ

これだけリアルなアメリカ社会の問題を風刺した作品のため、作中にはアメリカ人にとってはおなじみのパロディや英語ならではのダジャレがちりばめられています。

ジュディのプレイリストは動物だらけ

ジュディが移動中に聞いている音楽のプレイリストが映るシーンがあります。

それらをよーく見てみると、その中にはディズニー映画の音楽に動物の名前をかけたダジャレタイトルがたくさんあることがわかります。

 

Let It Goatヤギのままで)

元ネタ:アナと雪の女王の"Let It Go(ありのままで)"

 

Part of Your Wool(パート・オブ・ユア・ウール

元ネタ:リトルマーメイドの"Part of Your World(パート・オブ・ユア・ワールド)"

 

Can You Feel the Fluff Tonight(フワフワを感じて)

元ネタ:ライオンキングの"Can You Feel the Love Tonight(愛を感じて)"

 

Ara-bunny Nights(アラバニー・ナイト)

元ネタ:アラジンの"Arabian Nights(アラビアン・ナイト)"

アーティスト名も動物だらけ

ジュディがプレイリストをスクロールすると、今度は有名アーティストの動物ダジャレバージョンの名前が表示されます。

 

Fleetwood Mac⇒Fleetwood Yak(ヤク)

 

Foo Fighters⇒Fur Fighters(毛皮)

 

Adelle⇒Gazelle(ガゼル)

 

Guns N' Roses⇒Guns N' Rodents(げっ歯類)

 

Selena Gomez⇒Hyena Gomez(ハイエナ)

 

Kanye West⇒Kanine West(犬)

 

Mick Jagger⇒Mick Jaguar(ジャガー)

 

個人的にはミック・ジャガーがそのままミック・ジャガーなのが好きです。

企業名も動物だらけ

もちろんズートピアの街並みに登場する企業やお店の名前も動物ダジャレです。

 

Carrot iPhone (Apple iPhone)

⇒りんごの代わりに人参がトレードマークです。

 

Zuber (Uber)

⇒アメリカではポピュラーなライドシェアサービス(白タク)の動物(Zoo)版です。

 

Lemming Brothers

⇒レミングとリーマン。英語で発音するとかなり近いです。

 

Mousey's (Macy's)

⇒大手デパートチェーンの名前をねずみとかけました。

 

Preyda (Prada)

⇒Preyは獲物の意味です。某映画を思い出しますね。

 

Targoat (Target)

⇒大手スーパーマーケットチェーンのヤギ版です。

 

Calvin Swine (Calvin Klein)

⇒大手下着ブランドのイノシシ属版です。

 

Trader Doe's (Trader Joe's)

⇒僕もよく利用する大手スーパーマーケットチェーンの女鹿版です。

アメリカ人なら大爆笑のあるあるネタ

最後にとっておきのネタをご紹介します。

それがこちら。

DMV

画像:DMV by kennejima

 

運転免許証や身分証明書の発行の際に訪れる必要のあるDMVです。

日本で言う免許センターみたいなものです。

映画ではジュディとニックが犯人のものと思しきナンバープレートの照会のためにやってきます。

 

現実世界のDMVは、利用者の平均待ち時間が40分台と言われています。

がしかし、窓口での対応も遅い上に、何度も待たされては窓口に呼び出され、また別の担当が出てくるまで待たされては窓口に呼び出され、という繰り返しのため、実際にはひとつの手続きに数時間かかることもざらです。

 

それをアメリカ人はほぼ全員知っているから、そのDMVの担当者が全員ナマケモノという表現は、痛烈な風刺がきいていてとてつもなく面白いわけです。

 

僕はズートピアを日本の映画館で観たのですが、このシーンで大笑いしていたのは僕一人でした・・・。

ズートピアはアメリカに住んでいると何倍も面白い!

いかがでしたか?

子ども向けのアニメーション作品と侮ることなかれ、実は「ズートピア」は実際のアメリカ社会に対する風刺とパロディがたくさん詰め込まれた超大作なのです!

しかも物語が進むにつれて、映画を観ている人に対して、人種と偏見の問題や女性の人権に関して問いかける構造になっています。

 

トイストーリーの時にも説明しましたが、子どもがストーリーを純粋に楽しんでいる間に、一緒に観ている大人はその裏に隠されたメッセージやジョークを楽しめるという構造こそがディズニー映画の魅力だと思います。

 

これらの情報を踏まえたうえでもう一度映画を観て、今までとは一味違った「ズートピア」の世界を楽しんでいただけたらと思います!

 

では、また次の記事でお会いしましょう!

 

アメリカに滞在するなら、ニックネームをちゃんと考えよう

どうも、中学生の頃のあだ名は「浪人生」のマルヒロです。

 

アメリカに滞在する予定(orしている)みなさん、英語発音に対応できるニックネームはお持ちですか?

 

「英語発音に対応できるニックネームってそもそも何?」

 

と思った方!

 

今からそれを説明していきますのでご安心ください。

今回は発音しづらい日本人の名前を、英語話者にも覚えてもらいやすいニックネームに変換する方法とその必要性について紹介します!

スポンサーリンク

 

 

日本人の名前は発音しづらい

日本語はかな1文字に対して1音節(単語を音で区切る回数)というルールがあります。

ま・る・ひ・ろ

なら4文字で4音節。つまり4回音を区切るわけです。

ためしにのどぼとけに手を当てながら、ゆっくり「まるひろ」と言ってみてください。

声帯が4回振動したのがわかったと思います。

 

一方英語では、音節がそこまで細かく区切られることがありません。

Johnは1音節。省略せずにJohnathanと言っても2音節。

 

このように、英語を話す人にとって音節がいっぱいある名前は珍しく、とても覚えづらく発音しづらいのです。

それに加えて日本語と英語ではお互いに存在しない音などもあるため、余計に発音が難しくなってしまいます。

スポンサーリンク

 

でもアメリカではめっちゃ名前を名乗る

日本人の名前はそもそも発音しづらく、覚えてもらうのすら大変なのに、アメリカで生活をしていると名前を名乗る場面に何度も出くわします。

食べ物・飲み物をオーダーするとき

多くのコーヒーショップやファストフード店では、商品をオーダーする際に名前を聞かれます。

商品が用意できると、お店の人がその名前を読み上げてくれます。

 

日本だと番号で呼ばれるパターンが多いんですが、アメリカでは番号と名前のパターンが半々くらいです。

 

その名前を伝える際に自分の本来のファーストネームを伝えると、聞き取ってもらえずめんどくさがられたり、聞き間違えられて全く違う名前で登録され、商品を受け取る際に混乱したりします。

だからこそ、わかりやすく発音しやすい名前が必要なのです。

見知らぬ人と世間話をするとき

そもそも見知らぬ人と世間話をするという行為自体が、日本人にとっては馴染みのないものだと思いますが、アメリカではしょっちゅうあります。

 

それこそファストフード店で商品が出来上がるのを待っている人同士や、電車で隣に座った人、お店のレジ担当の人なんかとも世間話をすることがあります。

 

もちろんその世間話が始まるきっかけも話の内容も時と場合によりますが、その話を切り上げる際の常套句として、

 

"Well it was nice talking to you. I'm ○○, and you are?"

(お話しできて楽しかったよ!僕は○○、君は?)

"I'm ××. Pleasure talking to you as well."

(僕は××。こちらこそ話せてよかったよ)

 

なんて自己紹介をします。

別に連絡先を交換するわけでもないし、もしかしたら今後二度と会わないかもしれないけど、友好の証として自分の名前を教え合います。

 

こういうカジュアルなやり取りの際にさらっと名前交換をしたいのに、本来の名前を言ってしまうと

"Say that again?"

(もう一回言ってくれる?)

となり、ちょっと気まずくなります。

 

「それでも私は親から授かった本来の名前をちゃんと知ってほしいんだ!」

という人は頑張って伝えればいいんですが、僕は名前を聞き返された時の微妙に気まずい感じが嫌なので、本名とは別に英語話者でも発音しやすい名前を伝えるようにしています。

パーティでたくさんの人と交流するとき

アメリカで生活をすると、必ず何かしらのパーティに誘われると思います。

その際には、何人もの人と握手をしながらさらっと自己紹介をする必要があります。

 

"Hi, I'm ○○. Nice to meet you."

"I'm ○○. What's your name?"

"Hi ××, I'm ○○."

 

といった具合に。

 

こういうときに発音しづらい名前を伝えるとやり取りのテンポが悪くなりますし、相手も名前を覚えられなくて申し訳ない気持ちになってしまいます。

相手のためにも、発音しやすく覚えやすい名前を伝えてあげたほうが、そのあとのコミュニケーションがはずみます。

どんな名前にすればいいのか

名前の一部を切り取るパターン

これは本名が特定の形式の場合にのみ使える方法ですが、自分の名前の一部分だけを切り取ってニックネームにすることができます。

 

例えば僕はマルヒロなので、ヒロというニックネームを使っています。

発音的には英雄という意味のヒーローと同じになるので、インパクトもあり、覚えてもらいやすいです。

 

ケンタロウ⇒ケン

コウスケ⇒コウ

レイコ⇒レイ

ナミナミー

カリカーリー

同じ頭文字で始まる英語名を採用するパターン

本名を切り取る方法が使いづらい場合には、自分の名前と同じ頭文字を使った別のニックネームを考える方法があります。

最初は自分で英語名を名乗るのに違和感があるかもしれませんが、慣れるとミドルネームのような感覚で愛着がわきます。

 

カイト (Kaito) ⇒カイル (Kyle)

ナオヤ (Naoya) ⇒ネイサン (Nathan)

アズサ (Azusa) ⇒アンジー (Angie)

本名と似た響きの名前を採用するパターン

少しユニークなニックネームの考え方として、本名の発音に似た英語名を採用する方法もあります。

頭文字が違っても響きが似ているので、名前を呼ばれた際に反応しやすいというメリットがあります。

 

コウジ (Kouji) ⇒コーディー (Cody)

タロウ (Tarou) ⇒カール (Carl) ※英語発音だとカーロウに聞こえる

サクラ (Sakura) ⇒サラ (Sarah)

全く関係のない名前を考えてもらうパターン

上記のどの方法もぴんと来ない方は、友人に「なんか英語の名前つけてよ」と頼んでみてもいいかもしれません。

あなたの友人がいい人であれば、性格や雰囲気に合わせた名前をちゃんと考えてくれるはずです。

 

僕の友人にはケイスケという名前なのに、Bobという名前を使っている人もいます。

マルヒロの顔

ちなみに理由は体型がBobという字面に似ているかららしいよ

第2の名前として愛着の持てるニックネームを考えよう

アメリカ人にとってのニックネームは、日本人にとってのあだ名よりも重要な意味合いがあります。

日本ではどうしてもあだ名は身内だけが使うもので、初対面の際にはフルネームを名乗るのがマナーですよね。

 

でもアメリカでは本名とニックネームはどちらも重要で、むしろニックネームのほうがその人のアイデンティティに強く結びついている感覚が強いです。

 

自己紹介をする際には、フルネームを伝えても

"And what do you go by?"

(で、なんて名前で呼べばいいんだ?)

という質問をしょっちゅうされます。

 

中には、「絶対にこのニックネームで呼んでくれ」という強いこだわりを持った人もいます。

 

だからこそ、みなさんも恐れずに英語名のニックネームを第二の名前として堂々と名乗っていっていいんです。

そっちのほうが名前を覚えてもらいやすいので、友達もたくさんできますよ!

 

みなさんは何か良いニックネームを思いつきましたか?

もし思いつかない方はいつでも僕に相談してきてくださいね。

 

ということで、また次の記事でお会いしましょう!

アメリカの小学校でいじめられた僕はとにかく悪口を覚えた

どうも、ディズニーチャンネルよりニコロデオン派のマルヒロです。

 

僕は7歳の時、父親の仕事の都合でアメリカ中西部のミシガン州へ家族と一緒に引っ越しました。

 

もちろん英語は全く話せず、現地校の授業にはついていけません。

その結果僕はいじめられました。

 

そんな僕がいじめのターゲットから抜け出した、ちょっと変わった方法をご紹介します。

スポンサーリンク

 

 

チョコレートミルク味のピザを食べて

現地校の小学校1年生のクラスに編入した僕は、ものの一週間でいじめのターゲットになりました。

 

別に何かきっかけがあったわけではないと思います。

単純に僕が英語が理解できず、バカっぽく見えた。

そして元来控えめな性格で細身の僕は、ただただなめられていたんでしょう。

 

ぶつかられたり、押し倒されたり、ノートに落書きをされたり、教室内のトイレ(非常時にすぐ出れるようにカギはなく、代わりにドアに「使用中」のサインをぶら下げるシステム)を使っているとドアを開けられたり・・・

 

個人的にきつかったのは給食の時間。

 

学校の給食は、大体メイン一品にフルーツか野菜と牛乳(普通、チョコ、いちごから選べる)というセットでした。

 

僕がそれを購入して空いている席に着くと、同級生が「間違えて」チョコレート味の牛乳を僕のメインにぶっかけます。

もともと牛乳が苦手だった僕にとって、牛乳味のご飯しか食べられないという状況は本当に苦痛でした。

 

僕が先生に言いつけても、彼らは英語で言い訳をいくらでも言えるので、僕の言い分なんて聞いてもらえません。

 

さらに面倒なのが、多くのアメリカの学校では、昼食時は全校生徒がカフェテリアに集まって食べるので、監督している先生の目が少なすぎるんです。

しかもカフェテリア担当の先生は担任とは違うため、僕が英語が話せないことやクラスになじめていないことすらあまり理解しいませんでした。

 

親にも何度か報告し、学校に連絡をしてくれたこともありましたが、どうしても管理の目が行き届きづらかったのが現状でした。

スポンサーリンク

 

日本人とすらなじめない

やさしさがとげになる

もちろん僕のことを助けてくれる人もいました。

幸いにもデトロイト近郊は自動車の町。

日系の自動車メーカーに勤めている方の家族が多く、僕の小学校にも日本人の同級生が何人かいました。

 

彼らは彼らなりに僕をサポートしてくれ、英語がわからない時は通訳もしてくれました。

 

しかし、そんな彼らも通訳できない時があります。

 

それは「ののしり言葉」

 

多分彼らは意味を理解していたと思いますが、それをわざわざ日本語に翻訳して僕に伝える勇気がなかったのでしょう。

同級生に英語で何かを言われて、僕が「今なんて言ってたの?」と聞くと、「うーん、あまりわからなかった・・・」とごまかされました。

でもその声のトーンや雰囲気でなんとなく気まずさを感じ取った僕は、その彼らのやさしさに余計に傷ついていました。

日本人コミュニティへの参加資格がなくなる?

そんな風に、なんとなく日本人の同級生に対してすら心理的距離感を感じていた僕は、あるときから日本人とも遊ばなくなります。

 

当時僕の周りにいた日本人家族のお子さんは、学校が終わると誰かの家に遊びに行ってはゲームをするかサッカーをするかの日々でした。

 

僕はゲームは好きだけど、周りが持っているような最新機種は持っておらず、ゲームの腕前もあまりなかったためにゲームをする日はそもそも声がかかりませんでした。

どうやら当時の日本人コミュニティに参加するには、最新版のDS Liteとポケモンのソフトが必要だったようです。

 

サッカーに至っては本当に論外・・・。

とにかくスポーツが苦手だった僕は、何度か誘われて参加してみましたが、あえなく醜態をさらして撃沈。

「お前ださすぎw」

と、彼らは冗談のつもりで言っていたのでしょうが、ガラスのハートの持ち主だったマルヒロ少年は心に深いダメージを負い、放課後の遊びにすら参加しなくなりました。

 

現地の同級生からも、日本人の同級生からも孤立した僕は、いよいよ居場所がなくなりました。

僕を救ってくれたテレビの世界

言語も文化も分からず、友達すらいない真っ暗な世界で唯一僕が心から笑えたのは、テレビを見ているときでした。

学校から帰ったら現実逃避をするようにテレビをつけて、寝る直前までいろいろな番組を見ていました。

偶然見たいじめられっ子のドラマ

そんなある日、僕は当時大人気だったコメディドラマ『Drake and Josh』に出会います。

 

主人公の二人はちょっと冴えない高校生。

劇中では学校内外でいじめられるシーンが頻繁にありました。

 

当初はそのシーンを見るのが苦痛でしたが、あるときいつものようにいじめっ子に罵声を浴びせられ笑われていたJoshが、立ち上がって何かを言い、いじめっ子を黙らせるというシーンが映りました。

 

当時はなんて言っていたかわからなかったけど、僕の目にはその姿がものすごくかっこよかったんです。

 

僕はその瞬間

「僕も何か言い返せるようになりたい」

と思い立ちました。

英語の悪口を覚えてみたら見えていた世界が変わった

その日以降、僕は時間があれば辞書を引いていろいろな悪口を調べるようになりました。

 

とはいっても7歳の僕が知っている悪口なんてたかが知れています。

しかも英語がわからないから和英辞典で引くしか手段がなく、調べられる言葉の数は限られていました。

それでも調べていくうちに、数珠つなぎでどんどん新たな悪口を覚えていきました。

時にはインターネットも使いました。

 

悪口って、小学生の男の子からしたら調べるのが楽しくてしょうがないんです。

最初は「バカ」「まぬけ」程度の内容しか覚えていなかったのに、いつしかピー音が入るような言葉も覚えていました。

そして単語のつづりを覚えたら、今度は親が使っていた電子辞書をこっそり開いて例文や発音を確認し、それを何度も繰り返す。

 

渡米したのが4月だったので学校はすぐに夏休みに入り、英語を勉強する時間も増え、7月ごろには僕は「悪口だけは聞き取れる耳」を身に付けました。

両親が見ている大人向けのドラマでも、悪口だけはある程度理解できるようになっていました。

 

そのときはじめて感じた

自分で自分を成長させた実感。

それこそが自信につながりました。

 

学校に行くのが少し怖くなくなりました。

悪口を覚えて気づいたこと

9月になり学校が再開すると、案の定いじめが再スタートしました。

相変わらず給食がチョコレートミルク味の日もあったし、特に理由もなくぶつかられたり押し倒されたり・・・。

そして当たり前のように悪口も言われました。

 

しかし、すでに7歳とは思えないレベルの悪口を脳みそに詰め込んだマルヒロ少年は気づきました。

 

僕の知っている悪口のほうがレベルが高い

 

当時の同級生が使っていた悪口というのは、僕が悪口を勉強し始めたころに覚えていた幼稚なものばかりで、僕からしてみたら「かわいらしかった」のです。

 

そうなると途端にいじめっ子が怖くなくなります。

「はいはい、また5歳児レベルの悪口言ってるんですねー」

とあしらえるようになりました。

 

もちろんその反応は態度にも表れるので、いじめっ子も驚きます。

それまでは何か言われるたびに混乱した顔をしていた僕が、悪口を言われても鼻で笑っているんですから。

 

いつしか僕は、「言われた悪口に対して言い返す」という技も習得していました。

 

いじめっ子:"Why do you have to look so stupid?"

(お前なんでそんなにバカっぽいんだよ)

マルヒロ:"Well look who's talking."

(ブーメラン乙wwww)

 

といった感じで。

 

チョコレートミルクをかけてきても、

"Don't you have something better to do?"

(おまえもっと他にやることないの?)

 

トイレのドアを開けられても、

"You guys are interested in some weird stuff."

(お前ら普通に趣味悪いよ)

 

実は学校が始まる前に、先生に聞かれても問題にならない範囲でスマートに言い返せる表現をリストにまとめ、「こうこられたらこう返す」という予行演習をしていました。

そのおかげでスムーズにセリフを返すことができ、僕は一気になめられなくなりました。

 

それまで僕をいじめていた同級生の中には、

"I'm sorry, I didn't know you were this funny."

(ごめん、君がこんなに面白いやつだなんて知らなかった)

と言ってくる子もいました。(それで許す僕もどうなんだって話ですが)

 

こうして僕は、少しずついじめのターゲットから外れていきました。

 

ちなみに、この悪口やそれに対する返しを覚えてノートにまとめる作業は小学5年生まで続けていました。

悪口を覚えたことで、英語の覚え方を学んだ

僕は悪口を覚えるという作業を通して、英語の勉強方法を身に付けていたということに気づきました。

 

意味を理解し、音を理解し、何度も反復練習して自分の言葉にする。

 

この作業を繰り返すことで悪口を覚えた僕は、悪口以外でも同じことができると知りました。

しかも悪口を電子辞書で調べては発音を聴き、それを自分で繰り返すという作業をしていたので、いつの間にか単語からつづりを予測する耳と脳が鍛えられていたのです。

 

それらに気づいたことで、自分に対しての自信もつきました。

 

それ以降、大好きなテレビを見てはその中で出てきた気になるフレーズを録音し、調べ、繰り返し聞いて反復練習する作業を続けました。

 

あのとき悪口を覚えようとしていなかったら、登校拒否をして日本人学校に通っていたかもしれません。

日本に帰国しておじいちゃんおばあちゃんの家に住んでいたかもしれません。

 

でも悪口を覚えたから、それまでナイフのように鋭かった同級生の言葉が急に丸く見えました。

悪口を覚えたから、英語の勉強の仕方を身に付けられました。

悪口を覚えたから、僕はアメリカで生き延びることができました。

最後に

勘違いしていただきたくないのですが、僕は決して悪口を使うことを推奨しているわけではありません。

悪口やスラング表現は知っておくだけで十分です。

知っていれば、ネイティブがその表現を使ったときに混乱することもありません。

 

僕も悪口に対する返しはたくさん使いましたが、実際に悪口を使った経験はあまりありません。

 

それでも、悪口を知っておくだけで僕の世界は180度変わりました。

 

悪口を通して、苦手な英語といじめの両方を克服した人もいる。

 

その経験をここでシェアすることが、英語を学んだり、海外で暮らしたりしている方々にとっての何かのきっかけになったらうれしく思います。

ビッグバンドビートの楽曲情報をアメリカのDヲタ音大生が解説する ~後編~

どうも、ディズニーシーで一番好きなアトラクションはシンドバッドの冒険のマルヒロです。

今回はこちらの記事の続きです!いよいよグランドフィナーレまで突っ走ります!


舞浜までの移動時間の間に、ビッグバンドビートについて詳しくなっちゃいましょう!

スポンサーリンク

 

 

 客席と一体のコール&レスポンスタイム!

Four Brothers

少しゆったりした『Cheek to Cheek』のあとは、アップテンポな『Four Brothers』が始まります。

こちらの曲の魅力は、サックス、トロンボーン、トランペットのソロ合戦と会場が一体となって"Yeah!"と叫ぶコール&レスポンスだと思います。

 

原曲は1940年代に、偉大なジャズサックス奏者のジミー・ジューフリーによって作られました。もともと楽曲が発表されたタイミングでは、サックスプレーヤーの技術を見せびらかす曲だったため、メロディがかなり上下する難しい曲となっています。

 

そんな難しいメロディに、無謀にも歌詞をつける人々が現れました

彼らの名はランバート・ヒックス・アンド・ロス

1950年代に活躍した3名のボーカリストからなるグループで、様々なジャズのインスト曲に歌詞をつけて歌うパフォーマンスで一世を風靡しました。

 

そんな難曲を余裕の表情で歌うディズニーのパフォーマーさんたちの技術にも脱帽です・・・

 

ちなみに曲の途中で各キャラクターが「ドゥビドゥバ」歌うのは、ジャズシンガーがアドリブで歌う際に使われる”スキャット”と呼ばれる手法です。

 

【元ネタ】

www.youtube.com

スポンサーリンク

 

 バンド紹介コーナー

一度パフォーマーがはけ、男性シンガーとバンドだけが残ります。

 

知っている方も多いと思いますが、実はこのバンド紹介コーナーでは3曲あるうちの1曲が毎公演ランダムに選ばれて演奏される演出になっています。

 

男性シンガーが、

 

「何かもう一曲やろうよ!何がいいかな?」

「そうだ、○○はどう?」

 

とバンドに提案し、曲が決定すると、

 

「よし、じゃあそうしよう!でもその前に、

まずはビッグバンドとは何かを紹介しなきゃだね!」

 

と言い出し、各楽器が順番に紹介されていきます。

全メンバーが紹介されたら、いよいよ3曲の中から選ばれた1曲がスタートです。

All of Me

2016年のリニューアル以前もこのバンド紹介コーナーで使用されていた楽曲です。

 

元の楽曲は、1931年にジェラルド・マークスセイモア・シモンズという2名が作り上げたものです。当時としては珍しくミュージカルや映画と関係のない単体の楽曲として発表されました。

 

楽曲はすぐにとあるラジオ放送で、ベル・ベイカーという女性シンガーによって披露されました。

その後はまたたく間に人気曲となり、アメリカ中のミュージシャンがこぞってこの曲を演奏しました。

 

中でもルイ・アームストロングフランク・シナトラによるバージョンはものすごく有名で、『All of Me』はいつしかフランク・シナトラの代名詞となりました。

 

華やかな楽曲の雰囲気とは裏腹に、歌詞の内容は

「(どうせ私をおいていくなら)私のすべてをもっていって」

「もう私の唇も腕も使うことはないでしょう」

「私の心の一部をあなたは奪った。だからどうせならすべてを奪っていって。」

という、恋人に捨てられた人の悲しい嘆きを描いています。

 

【参考音源】

www.youtube.com

Bye Bye Blackbird

『Bye Bye Blackbird』は1926年に作曲された、ものすごく古いスタンダード曲です。

コメディ劇の挿入歌などを主に作っていたレイ・ヘンダーソンモート・ディクソンという二人が作った曲ですが、当時はあまり人気がなかったそうです。

 

人気が出始めたのは1940年代後半。

とあるポップバンドがカバーしたバージョンが全国的に人気になり、それ以降ジャズミュージシャンがこぞって演奏するようになりました。

大衆音楽で流行した曲をジャズミュージシャンが演奏するという流れは今でもよくあるパターンです。

 

その人気はとどまるところを知らず、今でもジャズの現場では頻繁に演奏されています。

 

また、あのビートルズのポール・マッカートニーリンゴ・スターもそれぞれのソロプロジェクトでこの曲を録音しています。

 

ちなみにビッグバンドビートでは、東京ディズニーシー15周年記念の特別バージョンのときのみ、女性シンガーとのデュエットバージョンが披露されていました。

ス・ワンダフル('S Wonderful)

『ス・ワンダフル』は、1927年にガーシュウィン兄弟によって作られた曲です。

もともとは1927年に上演した「ファニー・フェイス」というミュージカルのために書き下ろされました。

 

タイトルは、当時ニューヨーカーの間で流行していた"It's~""It"を省略する言い回しから来たもので、本来は"It's Wonderful"という意味です。

 

いまだに多くのミュージシャンに愛されているスタンダード曲で、近年では2010年公開のジュリア・ロバーツ主演映画「食べて、祈って、恋をして」で、ボサノヴァアレンジされたバージョンが採用されました。

 

【参考音源】

1927年のミュージカルで主演を務めた俳優が後にセルフカバーしたもの

www.youtube.com

ミッキーのドラムプレイが炸裂!グランドフィナーレ

シング・シング・シング(Sing, Sing, Sing)

バンド紹介が終わると、いきなり大迫力のドラムソロが鳴り響き、センターステージからミッキーがせりあがってきます!

 

ここで演奏される曲は、映画「スウィングガールズ」で演奏されたことでも知られる『シング・シング・シング』です!

 

もともとは、ジャズの本場ニューオーリンズで活躍していたトランペット奏者のルイ・プリマにより、1936年に発表された楽曲です。

そのメロディのキャッチーさに魅了されたビッグバンドが、こぞって自分たちの公演で演奏するようになりました。

 

中でも有名なのが、当時ニューヨークで最も人気だったビッグバンドの一つ、ベニー・グッドマン楽団によるバージョンです。

実はこのバージョンの編曲はリーダーのベニー・グッドマンではなく、当時別のグループを率いていたフレッチャー・ヘンダーソンが担当したといわれています。

 

ベニーは白人で、フレッチャーは黒人だったことから、この楽曲の権利に関してはその後いろいろと物議を醸しています。
(といってもベニー自身は非人種差別主義者で、自身のバンドに黒人ミュージシャンを雇っていたので、本人たちはあまりこの件を気にしていませんでした)

 

 

そして、この曲の特徴は何と言ってもドラム

ミッキーがたたいているドラムソロは、ベニー・グッドマン楽団で長年ドラムを叩いていたジーン・クルーパのパフォーマンスが元になっています。

 

ジーンは白人のドラマーでしたが、黒人っぽい情熱的なドラムソロを披露したことで、この楽曲とこのドラムソロのスタイルを自身の代名詞としました。

 

前回の記事でも触れましたが、

この低い太鼓の音を中心としたドラミングに、トランペットやトロンボーンの荒々しい音を掛け合わせたサウンドは「ジャングルサウンド」として知られており、デューク・エリントン等の黒人バンドが得意とするスタイルでした。

多くの白人バンドは、このジャングルサウンドを「野蛮」として敬遠しましたが、ベニー・グッドマンはジャングルサウンドを積極的に取り入れ、たちまちニューヨークの大スターとなったのです。

マルヒロの顔

やっぱり当時の音楽に人種の話題はつきものだね

 

【元ネタの音源】

www.youtube.com

ビッグバンドビートはスイングジャズの教科書だ!

ということで、ものすごい熱量でお届けしてきたビッグバンドビート解説シリーズ。

 

とにかくこだわって作られた素晴らしいショーだということが伝わったでしょうか?

このショーの内容とクオリティなら、ジャズを演奏している人が見ても納得だと思います。

 

次に東京ディズニーシーに遊びに行くときは、今回ご紹介した知識をもとにショーを鑑賞してみると、今までの何倍も深く楽しめると思います。

 そして、今回の記事で少しでもジャズに興味を持った方は、ぜひぜひいろいろな楽曲を聴いてもっともっとジャズの魅力に触れていただければと思います!

 

この記事が面白いと思った方は、ぜひぜひディズニー好きのお友達にシェアしてください!

それではまた次の記事でお会いしましょう!

音楽好きのための英語講座 ~「曲」って英語でなんていう?~

どうも、カラオケの十八番は『夜空ノムコウ』のマルヒロです。

 

英語圏の人と「好きな曲」の話題で盛り上がれたら楽しいですよね?

 

では皆さんは、「曲」を英語でなんというか知っていますか?

多くの方は"Song"と答えると思います。

 

では「歌」は?

ちょっと迷いました?

 

実はこの「音楽作品」を指す英単語はいくつかあるんですが、そのひとつひとつに微妙なニュアンスの違いがあってなかなか使い分けが難しいんですね。

 

今回はそれらを用途別にわかりやすく解説していきます!

スポンサーリンク

 

 

Song(歌詞がある曲)

「音楽作品」を表す英単語の中では一番認知されているであろう"Song"

これは歌詞のある「歌」を表すときに使います。

 

ポピュラー音楽の大半は歌詞が入っているので、普段の会話では

"What's your favorite song?"(好きな歌は何?)

という聞き方をしてまず間違いありません!

スポンサーリンク

 

Tune(楽曲全般)

次に汎用性の高い単語は"Tune"です。

これは歌だけでなく、インストゥルメンタルの楽曲に対しても使える言葉です。

 

ジャズなどの一部ジャンルでは、歌詞のない曲や歌詞があったとしてもインストゥルメンタルで演奏される曲を扱うことが多いので、"Song"よりも圧倒的に"Tune"という言葉を使うことが多いと思います。

 

ちなみに「これ私の好きな曲なの!」っていう際に

 

"That's my tune!"

 

という言い方ができます。別にその人が作った曲じゃなくても使えます(笑)

 

あと、「めちゃめちゃいい曲」「シビレる曲」という意味で"Killer tune"という表現もありますね。東京事変の曲にもありますが。

www.youtube.com

Piece(楽曲作品)

こちらの単語は、より大規模な「作品」に近いニュアンスで、クラシック音楽などでよく使われます。

歌が入っていても入っていなくても使えますが、"Tune"よりも重みがあります。

 

海外のシンガーソングライターがよく、"This is a piece I wrote for...(この曲は○○のために書きました)"なんてMCで言っているところを聞いたことがある方もいるかもしれません。

 

芸術作品全般に使える"Master piece"なんていうフレーズもありますね。

Song, Tune, Pieceの共通点

実は今紹介した3つの単語はすべて、とある特殊な使い方があります。

 

それは

「作者/歌手の名前」+【Song, Tune, Pieceのどれか】

という形です。

 

この形で「○○の曲」という意味のフレーズになります。

 

【具体例】

A Bach piece⇒バッハの作品

"Which one is your favorite Bach piece?"

(君の好きなバッハの作品はどれだい?)

 

A Beatles song⇒ビートルズの曲(歌)

"I know that one! That's a Beatles song, right?"

(その曲知ってる!ビートルズの曲だよな?)

 

A Weather Report tune⇒ウェザーリポートの曲

"Why don't we play a Weather Report tune?"

(ウェザーリポートの曲やってみない?)

 

【ポイント】

バッハの作品は"Tune"と呼ぶには壮大すぎるので"Piece"を使っています。

(クラシック音楽で"Tune"を使うことはまずないです)

 

ビートルズの楽曲は歌ものなので"Song"、ウェザーリポートの曲はインストゥルメンタルなので"Tune"を使っています。

 

また、ビートルズの正式名称は"The Beatles"ですが、今回の例文ではそのあとの"song"に不定冠詞の"a"をつけるのが適切なので省略しています。

 

「知ってる!この前言ってたビートルズのあの曲だよね?」など、特定の曲を指す場合には

"I know! That's the Beatles song we were talking about, right?"

といった形で定冠詞をつけます。

その他の「曲」を指す英単語

上で紹介した3つの単語さえ覚えておけばまず困ることはないですが、ほかにも使える単語がいくつかあるので紹介します。

Track

"Tune"と同じような使い方ができますが、

 

"A track from the album(アルバムの中の一曲)"

"A newly released track(新しく発表された曲)"

 

のように、CDやレコードを少しだけ連想させる気がします。

Number

複数の楽曲からなる大きな作品の中の一つの曲を指す際に使われます。

特にオペラやミュージカルの世界ではよくつかわれる単語です。

Composition

これは"Piece"に近いニュアンスで使えます。

「作曲する」は英語で"Compose"

つまり"Composition"とは文字通り「作品」という意味。

 

僕も大学のコンサートで自作の曲を紹介するときは、

"This is my original composition(これは僕自身が作曲したものです)"

というフレーズをよく使います。

 

微妙なニュアンスの違いを楽しもう

こういった微妙なニュアンスの違いを理解すると、自分の話す英語がぐっと自然になります。

もちろん違いが微妙であれば微妙であるほど理解しづらいときもありますが、その微妙な違いを自分なりに見つけ出して理解する作業って意外と楽しくないですか?

 

その言葉の語源をたどったり、どういう場面で使われているかを調べたりして

 

「そうか、この単語にはこういう背景があるからこういうニュアンスなのか!」

「逆にこの単語は似ているけどここが違うのか!」

 

と発見する作業を楽しめるようになったら、みなさんの英語力がさらにグーンとアップするはずです!

 

それではまた次回の英語講座でお会いしましょう!

ビッグバンドビートの楽曲情報をアメリカのDヲタ音大生が解説する~前編~

どうも、『西東京のミッキーマウス』ことマルヒロです。

 

僕がジャズを始めたのも、英語が話せるようになったのも、すべてはディズニーパークとディズニー作品がきっかけです。

 

そんな僕が東京ディズニーシーで一番好きなショーといったら、それはもう『ビッグバンドビート』しかありません。

 

【ミッキー】×【ドラム】×【ジャズ】マルヒロ

 

みたいなもんです(偉い人に怒られそう)。

 

そんな僕がジャズ専門音大の学生として、ビッグバンドビートで使われている楽曲の歴史をひとつずつガチで解説していきます。

この記事さえ読めば、次のディズニーデートでかっこつけられるぜ!

スポンサーリンク

 

 

 ビッグバンドジャズとは?

ロックバンドにもいろいろな形態があるように、ジャズも様々な形態で演奏されます。

中でもビッグバンドは、17人前後の編成で演奏されるジャズのことを言います。

 

このビッグバンドジャズ(スイングジャズともいう)は、大所帯ならではの音の迫力一糸乱れぬ演奏そして華やかなステージ演出が見どころです。

 

ビッグバンド自体の歴史については下の記事も読んでみてください。

オープニング:スイングがなければ意味がない

会場アナウンスが終わり、いよいよショーがスタート!

キレのあるドラムソロから始まるアップテンポなナンバーはその名も!

 

『スイングがなければ意味がない(It Don't Mean A Thing If It Ain't Got That Swing)』

 

こちらの楽曲は、アメリカ史上最高の作曲家として知られるデューク・エリントンが、1931年に作曲したビッグバンドジャズの初期の名曲です。

 

「スイング」とはジャズ特有の飛び跳ねるようなリズム感のこと。

まさにジャズという音楽が持つリズムのすばらしさを歌った曲なのです。

 

2008年にはグラミー殿堂入りもし、さらにはレディー・ガガがレコーディングしたことでも知られています。

 

しかしこの曲はそれよりずっと前から、たくさんの有名ジャズミュージシャンがカバーしてきました。すべてのジャズミュージシャンから愛される、ジャズ界の「国歌」のような楽曲なのです。

 

※原曲は著作権の都合上掲載できないので、皆さん各自でYouTubeで探してみてください

スポンサーリンク

 

スタンダード曲コーナー

オープニングのあとは、ショー専属のシンガーたちが今もなお愛されているジャズの名曲を順番に歌っていきます。

夜も昼も(Night and Day)

一曲目は『夜も昼も』

マルヒロも演奏の現場でもしょっちゅう演奏する、超有名なスタンダードナンバーです。耳に残るメロディと、どんなスタイルにもアレンジしやすい構成が人気の理由だと思います。

 

もともとは1932年のミュージカル用に、アメリカ舞台音楽界の巨匠コール・ポーターが作った楽曲で、「どんな時でもあなたのことを考えているわ」というなんともロマンチックな内容です。

 

ちなみにビッグバンドビートバージョンは、エラ・フィッツジェラルドという超有名シンガーのバージョンをかなり忠実に再現しています。

 

【元ネタの音源】

www.youtube.com

A列車で行こう(Take the A Train)

女性シンガーによる素晴らしいパフォーマンスが終わると、男性シンガーが「アップタウン(ニューヨークのちょっとリッチな地区)へ行こう!」と言い出します。

 

彼がニューヨークの説明をしている間に少しずつバンドがテンポアップをし、あの超有名なピアノイントロから『A列車で行こう』がスタートします。

 

この曲は、先ほども登場したデューク・エリントンのグループが1941年に発表したスタンダードナンバーです。

 

実はこの曲は、デュークがかわいがっていた弟子のピアニスト、ビリー・ストレイホーンが作曲したといわれています。

デュークが打ち合わせのために自身の自宅にビリーを招いた際、地下鉄を使った自宅までの経路をビリーに伝えました。するとビリーは、その内容をもとに行きの列車の中でこの曲を作ってしまったのです!

つまりこの曲は、「デューク・エリントンの家までの行き方を歌った曲」なのです。

 

日本でも映画「スウィングガールズ」で使われたことでかなり有名になりました。

 

【原曲】

www.youtube.com

The Lady is a Tramp

A列車で行こうをワンコーラス歌った後すぐに、バンドは男女デュエットの『The Lady is a Tramp』に移行します。

 

ディズニー映画「わんわん物語」の原題の元にもなったこの曲は、1937年のミュージカル「Babes in Arms(青春一座)」のために書き下ろされた楽曲。

作曲したのは、ニューヨークのブロードウェイで活躍していた黄金コンビ、ロジャース&ハートです。

 

歌の内容は、女性がわがままを言って男性を振り回すコメディータッチのものとなっています。"Tramp"とは「(一見素敵そうに見えて)わがままな地雷女という古いスラングです。

わんわん物語のTrampとは大違いですね・・・

ディズニーの仲間たちが登場!ダンスコーナー

「Lady is a Tramp」の演奏が終わると、我々はニューヨークセレブ御用達のとあるジャズクラブに到着します。

ここのクラブバンドの指揮を執るのはみんな大好きグーフィー!

彼が率いるバンドの演奏に合わせて、ディズニーの仲間たちが1920年代から40年代ごろのニューヨークで流行ったダンスナンバーを披露します。

サヴォイでストンプ⇒Jumpin' Jive

一番初めにグーフィーの指揮で始まる楽曲は『Jumpin’ Jive』という曲なのですが、その前にサックスプレーヤーがちょっとだけ演奏している曲についても触れておきます。

 

その楽曲とは『サヴォイでストンプ(Stompin' at the Savoy)』

 

ニューヨークの超有名なサヴォイ・ボール・ルームというダンスホールの名前がついた楽曲で、もともとはこのダンスホールで定期的に演奏していたバンドが、別のバンドと共同で制作したダンス用の曲でした。今ではダンス以外の場面でも演奏されます。

 

そして次に始まる曲が『Jumpin' Jive』

ニューヨークのコットンクラブという有名なクラブで定期的に演奏していた、キャブ・キャロウェイのバンドが発表した楽曲です。

 

タイトルの意味は「飛んで踊って」みたいなところでしょうか。

とにかく好きに踊って楽しもう!というかなりご機嫌な曲です。

 

ビッグバンドビートでは、キャブ・キャロウェイのバンドが映画でこの曲を演奏したときの映像を参考にしています。

 

【元ネタ動画】

www.youtube.com

Diga Diga Doo

デイジーが繰り広げる情熱的なこの楽曲は、1928年のミュージカル「Blackbirds of 1928」のために書き下ろされました。

僕の予想では、ミュージカルのタイトルに"Bird"と入っているからデイジーが歌っているのかと・・・。リニューアル前もデイジーは『Little Jazz Bird』という曲を歌っていましたしね。

 

このミュージカルは、当時のアメリカとしては珍しく、キャストが全員黒人であるにもかかわらず518公演ものロングランを記録しました。

 

ちなみに楽曲冒頭の迫力あるドラムの演奏方法は「ジャングルドラム」などと呼ばれており、映画「ジャングルブック」ではこのジャングルドラムを使用した楽曲がいくつかあります。

頬よせて(Cheek to Cheek)

ダンスコーナー最後はミッキーとミニーのかわいらしいラブラブっぷりを堪能できる『頬よせて』です。このタイトルだから、曲の最後に二人がほっぺを寄せ合う振付があるんですね。

 

この楽曲は、これまたブロードウェイ音楽の巨匠アーヴィング・バーリンによって、1935年公開の「トップ・ハット」というコメディ映画のために書き下ろされたものでした。

 

「まるで天国にいるみたい」

「山登りや釣りもいいけど、あなたと頬を寄せ合って踊っているときの半分くらいしか楽しくない」

「話せなくなるくらい鼓動が激しいんだ」

 

といった、とにかく愛情たっぷりでお洒落なセリフがたくさん登場するのが特徴です。

 

 メロディと歌詞のすばらしさから、1936年のアカデミー歌曲賞にもノミネートされ、最近では2017年公開(日本は2018年)の映画「ボス・ベイビー」でも使われました。

 

【映画主演俳優による原曲の音源】

www.youtube.com

いよいよフィナーレだ!

さあ、今回は長くなってきましたのでここで一区切りとします。

 

このあとすべての出演者が集結してグランドフィナーレへと向かっていきます!

バンド紹介コーナーは構成も面白いですし、なんといってもあのミッキーによるドラムソロが待ち構えています!

 

そんな大迫力のグランドフィナーレで使われている楽曲の紹介は、また次の記事で取り上げます。

 

これで少しはビッグバンドビートが観に行きたくなったんじゃないかな?

 

ではまた次の記事でお会いしましょう!

ジャズの歴史をアメリカの音大生がざっくり解説する ~多様化するジャズ~

どうも、両手で箸が使えるマルヒロです。

 

以前こんな記事を投稿しましたが、読んでいただけたでしょうか?

 

今回はその続きです。

1950年代後半以降のジャズの歴史を参考音源付きでざっくりと解説していきます!

 

それまであったものを壊して新しいものを作り、それをまた壊して発展していく。

そういった動きが頻繁に起きていきます。

 

いやはや、どんな歴史も創造と破壊の繰り返しですな・・・。

スポンサーリンク

 

 

1950年代以降に登場する新たなジャズの形

クールジャズ

実際にはクールジャズは1940年代終盤からすでに認知されていましたが、1960年代以降のジャズに大きな影響を与えたのであえてここで取り上げます。

 

激しい即興演奏が特徴のビバップの反動として生まれたクールジャズは、全体的に洗練された雰囲気が最大の魅力です。

 

また、室内楽などクラシック音楽の影響も強く、アドリブのソロはあまり重要視されません。

それよりも複数の楽器によるハーモニーが前面に押し出されていることが多いです。

そのため、ビバップを演奏するグループよりも人数が多かったり、ホルンなどのジャズではあまり見られない楽器が使われたりもします。

 

『白人のジャズ』などともいわれますが、マイルス・デイヴィスが発表したBirth of the Coolこそがクールジャズの原点だとする見方もあり、あまり人種は関係ないように思えます。

 

【参考音源】

www.youtube.com

もうひとつのクールジャズ:レニー・トリスターノ派

なぜかクールジャズの代表格として紹介される人物にレニー・トリスターノというピアニストがいます。

 

確かに彼はクールジャズを流行らせたミュージシャンと密接な関係がありますが、僕は個人的に彼の音楽はクールジャズではないと思っています。

 

レニー・トリスターノはニューヨークに自分の音楽学校を作り、そこで後進の指導に当たるわけですが、彼が注目したのは即興演奏

本当の意味での即興演奏とは何かということを追い求め、様々な演奏法や理論を利用した高度なアドリブ演奏の方法論を作り上げます。

 

ビバップの激しいアドリブ演奏を抑えた結果がクールジャズだとしたら、レニー・トリスターノの流派はクールジャズとは違いますよね?

 

【参考音源】

www.youtube.com

スポンサーリンク

 

サード・ストリーム(第三流派)

日本語に訳すと、第三の流派という意味のサード・ストリームは、厳密にはジャズのジャンルではありません。

 

クラシックを第一流派、ジャズを第二流派としたとき、その2つの形式の要素を融合させた新たな音楽がサード・ストリームです。

定義はものすごく曖昧で、結局何がサード・ストリームなのかを理解している人は少ないですが、自称サード・ストリームの音楽家たちの作品はクールジャズやそれ以降のジャズに大きな影響を与えました。

 

【参考音源】

www.youtube.com

モードジャズ

モダンジャズの時代の前半に流行したのはビバップとハードバップでしたよね?

そのどちらのジャンルも、アドリブで演奏するソロが楽曲の目玉でした。

 

このアドリブソロなのですが、実は演奏するにあたってのルールがあるんです。

 

そのルールとは、展開されるコード進行に合わせた音の組み合わせを選んでソロを演奏すること。

(コード進行って何?という方は読み飛ばしていただいて構いません)

 

しかしビバップからハードバップへと発展していく中で、ミュージシャンたちはより複雑なコード進行を求めていきます。

マルヒロの顔

目まぐるしく変わるコード進行の中でミスせずにソロが取れたらすごいもんね

その結果、コードに縛られたソロしか演奏できなくなり「これって俺たちが求めていた自由な音楽じゃなくね?」と気づきます。

 

そこで生まれたのがモードジャズ

 

簡単に言うと、「同じコードをしばらく伸ばして、そのコードに対して使える音の組み合わせを限界まで探る」という新しい発想です。

ちなみにこの新たな考えを提唱したのはマイルス・デイヴィスを中心とした人たちです。

 

フィギュアスケートで言うと、

 

ビバップやハードバップがショートプログラム

モードジャズがフリー演技

 

に近いイメージです。よくわからんという人はごめんなさい・・・。

 

クールジャズやサード・ストリームと同じように、バップ系のジャズに対する反動から生まれたモードジャズもまた、その後のジャズミュージシャンに大きな影響を与えます。

 

【参考音源】

www.youtube.com↑の曲で使われているコードはたったの2つです。

アバンギャルド・ジャズとフリージャズ

モードジャズがコードの制約を取り払ったのと同じころ、別の界隈では

 

「もうそもそもコードに合わせた音とかいう考え方が古くない?」

「もっと自由にやろうぜ!」

 

というとがったミュージシャンが出てきました。

 

彼らはそれまで誰しもがある程度は従ってきた音楽理論やリズムのルールを少しずつ無視し始めます。

結果として、不協和音や不安定なリズムが特徴の新たなジャズが生まれます。

 

その中でもまだ何かしらのガイドラインに基づいたものアバンギャルド・ジャズ、基本的にガイドラインとかが一切ないものフリージャズと言います。

 

混沌とした音の塊の中で行われるミュージシャン同士のコミュニケーションや、偶発的に生まれる音楽的なフレーズ、楽器の新たな奏法による新しい音色などを楽しむものですが、さすがに理解できない人が続出しました。

 

【参考音源】

www.youtube.com

www.youtube.com

ネオ・クラシシズム(新古典派?新主流派?)

フリージャズによって制約がほとんど取っ払われたジャズは、いろいろな意味で「自由な音楽」となりましたが、そうすると次世代ミュージシャンたちは次の目標を見失ってしまいます。

マルヒロの顔

ここまで何でもアリになると次に何すればいいかわからん・・・

そこで彼らは、原点回帰を目指します。

そう、ビバップで複雑になりすぎた演奏がハードバップで原点回帰したように。

 

モダンジャズが生まれたころのスタイルに戻り、その中で新たに何ができるのかを模索し始めます。

リズムを工夫したり、お題⇒ソロ⇒お題の形式に一ひねり加えたり・・・

 

この流れを英語ではNeo Classicism、日本語では新主流派などと呼びます。

ですが、もうここまでくると「70年代以降のジャズ」はすべて新主流派に含まれてしまうので、名前による定義はもはや無意味です。

 

【参考音源】

www.youtube.com

www.youtube.com

 新しいジャズの探求は終わらない

今回もかなりざっくりとジャズの歴史を紹介してきましたが、実はこれでもまだ触れられていない部分がたくさんあります。

 

ロックやラテンの要素を取り入れたフュージョンだったり、電子音楽を取り入れたエレクトリックジャズだったり・・・

 

そういった現代のジャズのことを「コンテンポラリージャズ」なんて呼んだりしますが、それに関してはまた別の記事でご紹介したいと思います。

 

とにかくこれで、ジャズの誕生から、ジャズの中でも主流とされてきたスイングジャズとモダンジャズに関しての説明は終わりです。

少しでも「ジャズって面白いんだなー」って思ってもらえたら、僕としては幸せです!

 

2回にわたるジャズの歴史紹介記事、いかがでしたか?

質問・感想もお待ちしています!

トイ・ストーリーの過去作品をおさらいしながら英語も勉強しちゃおう

f:id:maruhiro_ca:20190726122508j:plain

どうも、トイ・ストーリー・シリーズで一番好きなキャラクターはウィージーのマルヒロです。

いよいよトイ・ストーリー4が公開しましたね!

僕はありがたいことにアメリカで公開初日に鑑賞しましたが、そのときの感想については別記事にまとめています。

 

 

そんな僕から皆さんへのアドバイス。

過去作品をおさらいしてください。

僕も事前におさらいしてから映画館に行ったおかげで、笑えたり泣けたりした部分がたくさんありました。

 

そして!今回はその過去作品のおさらいをしながら、ついでに英会話も勉強しちゃおう!というお話です。

スポンサーリンク

 

 

ピクサー作品は英語ならではのダジャレがたくさん!

ピクサー好きな方はご存知かもしれませんが、ピクサー映画には様々な小ネタが隠されています。別の映画のキャラクターが隠れキャラとして出演していたり、どの作品にも必ず登場するキャラやモノがあったり・・・。

 

そしてそれらの隠し要素と同じくらい、おしゃれな英語の言葉遊びなども隠されているのです。この言葉遊びの多くは、子どもと一緒に映画を見ている大人へ向けたものが多く、さりげない下ネタもたくさん隠されています。

マルヒロの顔

大人も楽しめるような素敵な配慮ってことにしておこう・・・。

これらの言葉遊びを字幕版を見ながら理解すれば、ストーリーをおさらいしながら英語の知識もついて一石二鳥ってことなんです!

 

ということで、過去の作品に登場するダジャレや言葉遊びを見ていきましょう。

スポンサーリンク

 

トイ・ストーリー(1995年公開)の言葉遊び

Kiss My Ass(くそくらえ!好きにしろ!)

まずは冒頭のシーンで、アンディの誕生日が今日だと発覚したシーン。

ウッディは「アンディが新しいおもちゃを手に入れても、今いるおもちゃを忘れるなんてことはない!」と強く力説し、スリンキーもそれに同調しますが、その後のポテトヘッドの動作に注目。

 唇を外して自分のお尻にキスをしていますよね?

英語では、「くそくらえ」「好きにしろ」などといった意味合いの”Kiss My Ass”というスラングがあります。直訳すると「俺の尻にキスをしろ」です。

かなり汚い表現なので子ども向け映画では絶対に言ってはいけないセリフですが、大人にだけは伝わる面白シーンです。

Uncultured Swine(世間知らず)

ポテトヘッドがピカソの真似をしたのにハムが理解できなかったシーンで、ポテトヘッドが"You uncultured swine!"と怒ります。

"Uncultured swine"とは「世間知らず」という意味の慣用句的表現なのですが、このセリフの面白いところは"Swine"豚を含むイノシシ科の動物を指す言葉という点です。

実際に豚に向かって豚!と言っている、ダブルミーニング的な面白シーンです。

Just a couple of blocks away(すぐ近所にいるわよ)

ボー・ピープがウッディをお色気たっぷりに誘うシーンです。このシーンはそもそも大分アダルトな雰囲気ですが、その誘いを断ったウッディに対してボー・ピープは"I'm just a couple of blocks away."と言います。

 

英語で"Block"は市街地の『区画』の意味があります。

"Couple of blocks away"と言うと、「何区画か離れた場所」すなわち「近所」という意味になります。

 

ですがこのシーン、実はボー・ピープの横には「いくつか」のおもちゃの「ブロック」が置かれています。「近所にいるよ」という意味の表現と、「おもちゃのブロック何個分かの距離にいるよ」という表現がかかったセリフなのです。

Hooker(売春婦)

極悪な子供シドの部屋の中に、釣り竿にセクシーな足がついたオモチャがいたことを覚えていますか?

釣り竿の先についている釣り針は英語で"Hook"

ものをひっかけるから"Hooker"という風にとらえられるのですが、実はこの言葉には「売春婦」という意味があります。特にこのオモチャは足元が相当セクシーなので、意図的にこの言葉遊びを狙ったと考えていいでしょう。

トイ・ストーリー2(1999年公開)の言葉遊び

Sweet Potato(愛しのハニー)

f:id:maruhiro_ca:20190726115214j:plain

画像:toy_story_3 by perry_marco

映画の冒頭で、ウッディが帽子を探しているシーンがあります。

一方Mr. ポテトヘッドは奥さんのイヤリング(がついた耳)を探しているのですが、そんな彼がその耳を見つけたあとに奥さんに向かってこう言います。

 

"Here you go my sweet potato."

 

スイートポテトというとデザートをイメージしがちですが、実は"sweet potato"は"honey""sweetie"と同じように、愛情をこめて誰かを呼ぶ際に使える表現なのです。

実際に「ポテト」である奥さんに、"sweet potato"と声をかけるのは、ちょっとしたダジャレになっているんですね。

Wheezy(喘息っぽい/咳っぽい)

www.youtube.com

物語の冒頭でストーリーを展開させる重要な役割を持ち、さらにはラストでとんでもない美声を聴かせてくれるウィージー。彼の名前はそのまま、「ぜえぜえする。喘息っぽい」などという意味を持ち、彼の特徴を端的に教えてくれるものなのです。

Porkchop(ポークチョップ)

これはもうストレートすぎますよね。ハムが「カンフーって聞いたことあるか?俺のチョップをお見舞いしてやるぜ!」と意気込むセリフですが、これは子供でも分かるダジャレですね。

豚のチョップで、ポークチョップ。日本でも馴染みのある言葉だとは思いますが、ポークチョップはアメリカでは特に人気の食べ物です。

Catching Up(過去にできなかったことをやる)

マンションから走り出すおもちゃ店の店主を追いかける際、バズ一行は「新バズ」に対して「ついてくるか?」と問います。

 

その誘いを新バズは断るのですが、その際に

"I have some catching up to do."

と理由を説明します。

 

この"catch up"という表現には、「時間がなくて今までできなかったことをやる」という意味があります。特にしばらく会っていない人との間で使う場合「一緒に過ごせなかった時間を取り戻す」というニュアンスも含まれます。

確かにいままで父子らしいことを何一つできていなかった二人ですから、いろいろとやりたいことがありますよね。

 

そして、そんな二人は実際にキャッチボールを始めます。

このシーンは"catch up""play catch(キャッチボールをする)"がかかったダジャレなのです。

トイ・ストーリー3(2010年公開)の言葉遊び

Nice Ascot(素敵なスカーフね!)

バービーがケンと初めて対面するシーンで、彼女はケンに向かって"Nice ascot!"と彼のスカーフを褒めます。しかしこのセリフ、英語版では"Ascot"の途中に不自然な区切れ目があり"As-cot"と分かれて聞こえます。

そのせいでバービーが"いいお尻"といったかのように聞こえる仕組みになっています。これも大人じゃないと聞き落としてしまうクレバーな言葉遊びです。

Bookworm(がり勉)

www.youtube.com

映画の要所要所で出てきて、ストーリー中盤では重要なアイテムをウッディたちに手渡してしまう図書室の番人です。

彼の名前はBookworm

図書室にいるミミズだからその名前がついているのですが、実は"Bookworm"とはがり勉という意味のスラング。

実際に彼の風貌はがり勉っぽいですよね。トイ・ストーリーシリーズでは、こういう慣用句をそのまま表現するジョークが多いように感じます。

字幕で見る面白さも体感してほしい!

いかがでしたか?今回紹介したネタ以外にも、トイ・ストーリーシリーズにはたくさんの小ネタが含まれていて、それを探すのも楽しみの一つです。

 

特に字幕版では、英語でしか伝わらないダジャレや、アメリカの文化を知らないと笑えないシーンなどの面白さを取りこぼすことなく体験できます。

 

まずは日本語字幕で観て大体の内容を把握し、そのあとで英語字幕で観ることをおすすめします。最初は意味を理解するのにいっぱいいっぱいで、ネタにまで目を向ける余裕がないかもしれません。

 

でも何度か見ていくうちに、少しずつ英語のセリフが耳に入ってきます。

そしてそのうち「直訳しても意味が分からない」部分が出てくるはず。

 

そしたらそこが慣用句やスラングである可能性が高いので、そこのフレーズを調べてみる。そうしながら映画を見ていくと、また違った面白さが味わえるかもしれません!