まるごとアドリブ

ジャズの知識ゼロで「アメリカ唯一のジャズ専門音大」に留学したドラマーの奮闘記。

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リトルマーメイドのアンダー・ザ・シーは英語ダジャレの宝石箱や!ディズニーの名曲で英語を学ぼう!

どうも、マーメイドラグーンで一番好きなアトラクションはスカットルのスクーターのマルヒロです。

 

ディズニー作品を英語の教材にしている方ってどれくらいいるんですかね?

結構多いんじゃないですかね?

 

僕は小さいころからディズニー作品を使っていろいろなことを学んできておりまして、今回はその中からリトルマーメイドの「アンダー・ザ・シー」を教材にしたいと思います。

 

こちらの曲、海の生き物の名前や、音楽用語などを巧妙にかけた英語ダジャレが歌詞に

たくさん登場するので、めちゃめちゃおすすめなんです。

 

ノリノリに歌いながら、一緒にボキャブラリーも増やしちゃいましょう!

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まずはアンダーザシーの英語版を聴いてみましょう

この歌は、人間が住む陸の世界にあこがれる主人公のアリエルに対し、アリエルの父に仕えるカニのセバスチャンが「人間の世界は怖い。海の世界こそが安全だ。」と諭す内容です。

www.youtube.com

公式の字幕版なので、歌詞を追いかけながら歌いやすいですね!

 

それではここからは、僕が面白いと思った部分をピックアップして解説していきます。

あえての文法ミス

実はこの英語版歌詞には、「おや?」と思うような変な文法が使われている部分がたくさんあります。

 

例えば、

0:27ごろの"What more is you looking for?"

ここは本来なら"What more are you looking for?"になりますよね

 

ほかにも、

"While we devoting" ⇒ "While we are devoting"

"They sad 'cause" ⇒ "They are sad because"

などの表現が登場します。

 

もちろんリズムに合わせるために言葉を省略するのは、ほかの曲の歌詞でも起きることなのですが、この曲に関してはもう一つ理由があります。

 

この曲を歌っているセバスチャンは、ジャマイカ訛りの英語を話すキャラクターなんです。

ジャマイカは公用語が英語なのですが、ジャマイカ英語では文法的に必要な単語が省略されたり、アメリカの南部英語のように少し崩した言い回しをしたりします。

セバスチャンの歌い方もそのジャマイカ英語を反映しているわけなのです。

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クレバーだけどわかりづらい韻の踏み方

次に、僕がこの曲の歌詞で一番好きな部分を2つご紹介します。

 

一つ目がこちら

0:54~

As off through the waves they roll

(中略)

They sad 'cause they in their bowl

(中略)

They in for a worser fate

(中略)
Guess who's gon' be on the plate?

 

 

このポイントは、「海で自由に泳ぐ魚」「水槽(金魚鉢)に入れられた魚」「皿の上に乗っかった魚」の三段階の対比です。

 

"As off through the waves they roll"とは、語順を入れ替えると

"As through the waves they roll off"となり、

意訳すると「魚たちが波と戯れながら自由に泳ぎ回る」といった意味になります。

 

そのあとに出てくる「金魚鉢」という意味の"Bowl"と韻を踏むためにrollを最後に持ってきたのが非常にクレバーだと思います。

 

そしてさらに「"Worser fate(もっとやばい運命)"の魚もいるぜ」

「(人間がおなかをすかせたら)皿の上にのっかちまう魚はどいつだ?」

という質問を、"Fate""Plate"をかけてアリエルに投げかけています。

 

この質問はすなわち、「陸に近づいた魚は捕まって食べられてしまう(から海に残りなさい)」ということを伝えているわけですね。

日常会話でも使いやすい表現が登場

二つ目のお気に入り部分がこちらです

 

1:20~

We what the land folks love to cook

Under the sea we off the hook

 

ここはかなり分かりやすいと思います。

 

抜けている単語を付け加えてわかりやすくすると

"We are what the land folks love to cook"

"Under the sea, we are off the hook"

となります。

 

直訳気味に訳すと

「陸のやつら(つまり人間)は俺たちを料理したがる」

「海の下では釣り針から外れている」

となります。

 

ここでのポイントは、

"Off the hook"

という表現に限ると思います。

 

Off the hookとは、直訳すると「釣り針から外れている」

 

そこから転じて

「危機から脱出した」

「責任を免れた」

「見逃してもらった」

などの意味を持つイディオムです。

 

例えば、普段は真面目なのに、珍しく宿題を忘れた生徒に対して

 

"Okay, this is your first time, so you are off the hook."

(今回は初めてだから見逃してあげるわ)

 

という風に先生が言うことがあります。

 

本来であればこれは比喩表現になるのですが、セバスチャンたちは本当に釣り針の危険にさらされているので、比喩表現と直接表現のダブルミーニングとなっているわけです。

 

しかも、その手前の"cook"と韻も踏んでいる!

 

こんなにもうまくできた歌詞があるでしょうか!

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怒涛のダジャレパート

最後にご紹介するのは、曲の中でも特に盛り上がる「ラップパート」です!

 

ここでは「海の世界の楽しさ」を最大限にアリエルに伝えるため、海の仲間たちが楽しそうに音楽を奏でる様子をセバスチャンが片っ端から表現しています。

 

そして、その生物の名前と、演奏している楽器名(もしくは演奏の動作を説明する単語)がすべて韻を踏んでいるので、歌詞の分析をしていてもめちゃめちゃ面白い部分です。

 

それでは順番に紹介していきます!

 

  • Newt(イモリ)⇒ Flute (フルート)

  • Carp(鯉)⇒ Harp(ハープ)

  • Plaice(ツノガレイ)⇒ Bass(ベース)

  • Bass(バス)⇒ Brass(金管楽器)

  • Chub(イスズミ科)⇒ Tub(バケツ型の打楽器)

  • Fluke(夏ヒラメ)⇒ Duke of soul(ソウルの帝王)
    *本来Dukeは公爵の意味ですが、意味合い的に帝王の方が合うと思ったのでそうしています

  • Ray(エイ)⇒ He can play(演奏がうまい)
    *映像と音的に木琴のようなものを演奏していると思います

  • Lings(タラの仲間)⇒ Strings(バイオリン、ヴィオラなどの弦楽器の総称)

  • Trout(マス)⇒ Rockin' out(ノってる)

  • Blackfish(黒い魚。地域によってベラの仲間だったり、オナガだったり、メジナだったり、いろいろな魚をします)⇒ She sings(歌が上手い)
    *ここだけ「歌が上手い」となっているのは、Blackfishを声量のある黒人の女性歌手に見立てているからだと思います。ちょっと差別的です。

  • Smelt(ワカサギの仲間)and the sprat(ニシンの仲間)
    They know where it's at(どこでいい音楽がやってるかを知っている)
    *韻を踏む関係でちょっと無理やりな表現になっています

  • Blowfish(フグ)⇒ Blow(ラッパを吹く)

 

いやはや、こうやってみると、歌詞を考えた人もなかなか大変だったと思います。

リズムに合う音楽用語を見つけ、それと韻が踏める海洋生物の名前を持ってこないといけないんですもんね。

 

相当大変だったからなのか、一部淡水魚が混じっていたり、ちょっと音楽用語のほうが無理やりだったりしますが、そこも含めて楽しめるからいいんじゃないかなと僕は思います。

さいごに

ということで今回は、アンダーザシーの歌詞を徹底分析して、隠されたダジャレや普段使いもできる表現を探してみました。

 

音楽用語や魚の専門的な名前を日常会話で使うことはあまり無いとは思いますが、それでもこうやって歌詞を分析してみると、ボキャブラリーは増えるし、英語独特の表現やリズムも学べるし、何より歌を歌うのがもっと楽しくなります!

 

たまにはこうやって楽しみながら、ムダ知識を学ぶのもいいですよね?

 

みなさんの英語学習の時間を、少しでも楽しく彩れたらうれしいな~なんてね・・・

 

では、また次の記事でお会いしましょう!